▶建築レポ #52『きんせ旅館』
こんにちは、véritéです。
洋館巡りを始めてから「和洋折衷建築」や「擬洋風建築」なるものを知りました。
「和洋折衷建築」とは、近代日本において建てられた和風建築と洋風建築の要素を意図的に折衷した建物で、「擬洋風建築」とは、木造日本建築に西洋建築の特徴的意匠や、時には中国風の要素を混合した建物とあります。
今回は「和洋折衷建築」の一つである「きんせ旅館」を訪れました。
「きんせ旅館」は、日本最古の公許花街であった京都・島原地区に位置します。
こちらは江戸時代に建てられた揚屋(あげや)を大正末期頃、現店主の曾祖母が買い取って洋風モダンなテイストに改装されたとのこと。
※揚屋(あげや)とは遊女を呼んで遊興する店。
折上格天井(おりあげごうてんじょう)の開放的な空間、寄せ木張りの床、色鮮やかなステンドグラス、そして京都生まれの泰山(たいざん)タイル(モザイクタイル)などを使った「洋風」装飾が、「和」そのものの外観や2階とコントラストをなしていて面白い。
特筆すべきはクリスタルのようなドアノブ✨
ちなみに、「島原」といえば、「江戸の歴史は隠れキリシタンによって作られた」という本の中で、教養と芸事に秀でいた太夫はかつて上臈(身分の高い女性)の可能性があり、「京都花街・島原の語源は、捕らえられた島原のキリシタン女性の可能性も」とあったことが思い出されます...
いずれにしましても、「和洋折衷建築」もまた興味深いですね。
「美しい」から「壊すのはもったいない」
「美しい」から「次世代へも遺したい」と人々が奔走。
「美しさはサステナブルである」と思う昨今です✨