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ツインレイ?の記録43

9月1日

この日は希望国の大学で働くための第一回目の面接があった。
前回はこの一回目の面接で失敗していたが、前回の失敗に対しての彼の助言で今回は前回よりは成功したと思う。
立場的に面接官をすることも多い彼から「面接官に質問を深堀されるということは関心を持たれたということです」と言われている。

9月2日

あることをきっかけに自分にとって教育とは何かということが明確になった。前回の面接の失敗の後、彼に、私にとって教育とは何かと問われていたが、それに対して今得た回答を伝えたいと思い、Word文書にまとめたものを送った。

忙しいのに彼は読んでくれた。
そして私の経験と考えが表現されて書かれているので問題ないと言ってくれた。

「今回の面接で問題なければ、希望国への道が開けると思いますのでこれまでの努力を信じて結果を待つのみですね。必ず通過すると信じております」

うれしかった。

そして彼に更に詳細を報告し、今回ダメでも三度目の挑戦をしようと思うと伝えた。

私は彼と話しているとどんどん自分がどう生きたいかが明確になってくる。

だからこの時も彼に伝えた。

「私は私自身を自由にすることで、周りの人に自分を自由にする道を探って欲しいのだと思います」

それに対して彼の返事はなかった。

そもそも出張で日本に帰国している彼が戻ってきているのかどうかもわからなかった。

毎回出国の時と帰国の時は必ず連絡が来たのにそれがなかったからだ。

9月10日

新学期も始まり十日が経つ。
彼の部下が現地語レッスンに紹介した学生が日本に行ってしまったため、私は別の学生を紹介することになった。
この件に関して彼を通すかどうか迷っていた。
なぜなら彼のほうからは一向に連絡がなく、学生にもレッスンの要請が何もないのだ。

もしかしたら、彼はもうレッスンを続けたくないのかもしれないなんて思った。

いや、本当のところを書くと、私に何の連絡もないことに対して、私からも連絡しないというような変な意地が出てしまっていたのが大きい。

でも、そもそもこれらのレッスンのことについての取り決めなどを仕切ってくれたのは彼で、私は色々段取りすることが苦手だ。
だから、結局は彼に泣きついた。

ただ、その時の私のメッセージの書き方が悪かった。

私は、彼の部下に現地語を教えていた学生が去ったことで、新しくレッスングループのチャットを作ろうか迷っていた。

そのことをまず彼に相談しようとしたのだ。
後任の学生はそれほど日本語の口語ができないし、同じ時給にしていいかも悩んでいた。

だから私は既存のグループチャットに新しい学生をまだ加入していなかった。彼に相談してから決めようと思ったのだ。
もしかして彼も継続する気がないのならば、既存のグループに新しい学生も加入させるより、新しく部下と私とその学生でグループを作ったほうがいいかと思ったのだ。

だから彼にも、
「あなたが継続するかどうかわからないのでグループに(新しい学生を)いれてません」
と書いた。

でもこの「新しい学生を」というのが省略されていたので、彼は自分の知らないところで自分だけ外されて、新しいグループが既に作られたと思ってしまったようだ。

そもそも彼はレッスンを継続する意志があったし、自分の知らないところで話が進んでいることに対して、驚きを隠せない様子だった。

私としてはまず彼が継続する気があるのかどうか確認したのだが、長い間学生に連絡もないし、学生自身もやる気がないのではないかと疑っていたぐらいなので、継続の意志がないのを疑われても仕方がないと思うのだけれど……。

しかも彼は勝手に彼を教える学生が負担に思って辞めたがっているのだと解釈した。なぜそうなるのかわからない。学生は負担どころか、全然レッスンを希望されないので、ほかにバイトも増やしてしまったぐらいだ。

私は非常に長いメッセージを書き、彼に経緯を説明し、誤解を解いた。

彼は経緯を理解し、学生の負担にもなっていないと知り安心したようだった。

「我々は大人なので気にしませんが、学生は子供ですし、言いづらいことも多いと思うので、学生の考えを優先して考えてあげてください」

彼の言葉に私はもやっともした。

毎回彼は学生は子どもで自分は大人というが、私からしてみればそんなことはない。

学生も学生なりに考えているし、大人も子どもも関係なく、個人の言動にはその背景にあるもの、経験値、性格や思考なども関係してくる。

彼の見方はいつも「世間一般視点」なのだ。

実際、この学生にも夏休み前に「家族と楽しんでくださいね」というようなことを彼は言っているが、彼の中で、夏休みは家族に会える時間で、それは楽しくてうれしいものにちがいないという固定観念がある。

この学生は家族は共稼ぎ、普段は一緒にいることもない姉たちとストレスの多い日々、基本自炊、家族に帰属意識はなく、ほとんど毎日学校に戻りたい、私や親友に会いたいと言っていた。

私自身機能不全家族で育っているため、夏休みの帰省なんて苦痛だったし、その学生の気持ちもよくわかる。

だからそれを彼に伝えたこともあったが、彼は何も言わなかった。

共通の知り合いである彼の部下で以前この国に来ていた人によると、彼は完璧な人。今いっしょに来ている部下も同じように彼のことを評価している。

でも私はだんだん彼は完璧なんかじゃないと思うようになっていた。

それを決定づける出来事がこの後起こることになる。

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