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ツインレイ?の記録51
11月8日
この日は彼の部下のレッスンを私の部屋でやった。
部下担当の学生がそう希望したからだ。
そのため、私は彼のほうの授業には参加できない。
部屋が広ければ同時にできたかもしれないけれど、どうにも場所がなかった。
だから、彼より先に連絡してきた部下の方を優先してきた。
彼のほうにも確認すればよかったけれど、なんだか彼を優先して予定を立てる自分が嫌で、そうはしなかった。
その日は、もう一人学生も呼んで、四人でゲームをして楽しかった。
29歳の部下は私にとって話しやすい。
彼から、部下がマッチングアプリで結婚したということを聞いていたので、マッチングアプリについて色々聞いてみた。
ちなみに私が好きな彼はマッチングアプリをやったこともないらしいが、別に聞きたくもないので、奥さんとの出会い方は聞いたことはない。
部下と話していて、図星をつかれたのが、私はそこまで出会いも恋愛も求めていないということだった。
確かに、それはそうで、もともと私は彼氏もいなかった時期が一番楽しかったし、結婚していた時期が最も苦痛だった。
だからそこまでして結婚相手を求める気持ちも彼氏を求める気持ちもない。
その部下の場合は、コロナで話し相手いないということで始めて、今の奥さんと知り合ったらしい。
私の場合は、彼氏はともかく、友だちに不自由したことはないし、話し相手は常にいるので、そんな発想もない。
そう考えると、やはり私にとって恋愛はそれほど不可欠なものでもないのだと思う。
漠然とした「恋愛」よりも私は彼に関心があって、この時もマッチングアプリの話より、彼がなぜ1月に早めに帰国するのかということのほうが気になった。
どうやら「家族の事情」らしい。
部下は表情を曇らせて、「自分からは言えない」と言った。
思ったよりも深刻そうだというのだけはわかった。
確かにこの部下に比べて、彼は駐在員で責任者であるにも関わらず頻繁に帰国している。
以前は出国や帰国のたびに連絡がきていた。
「妻の体調不良で」とか「三人の子どもを二人でなんとかみている状況だから」とか。
そのたびに「奥さんは幸せだな」とか「家族が具合悪くなるたびに帰国する駐在員なんて聞いたこともない」と思っていた。
もともと彼を紹介してきた元駐在員さんは、奥さんが身重な上に上の子までいて実家にも帰らず一人きりという状況でも帰らなかったし、奥さんも帰ってきてとは言わなかった。
意地悪な考えで、むしろ帰国したいのは彼のほうだろう、そんなに奥さんや子どもが恋しいか、だったら駐在なんてやめればいいのにと思った。
そしたら本当にやめるらしい。
今度は完全に引き上げて、もう二度とここには戻らない。
別に私に言う必要なんてないことだけど、今までは帰国する時や戻る時は必ず連絡がきたのに、本当にどんどん私への扱いが悪くなるなと思った。
最後に会った時ですら、「一月に帰国するんですか?」と聞いたのは私のほうで、そしてそれに対して彼は詳しくは何も言わなかった。
そもそもその前にいた駐在員さんやこの部下に比べると、二人で会ったりよく連絡を取っていたわりには、私は彼の家族のことなど何も知らない。
聞けば言うのかもしれないけれど、聞かなくたって他の人は話す。
私たちが話していたことって何だっけ?
彼は私の深い話なんて別に聞こうともしなかったし、私もそうだった。
それなのになぜ私たちは二人で会っていたのだろう。
お互いのことを何も知らないし、彼に関しては知ってもらおうともしてなかったし、私を知ろうともしなかった。
それなのに連絡を取り合ったり二人で会ったりしていたのはなぜなんだろう。
もう本当に意味がわからない。
そしてその連絡さえ簡単に途絶えてしまった。
三週間、既読無視されたままだった。
12月1日
私は学生と隣町の遊園地に遊びに来ていた。
そこは夏に彼に誘われて初めて二人で少しだけ遠出した町だ。
帰りに寒かったのでラーメンが食べたくなった私は、彼に連れて行ってもらったお店に学生を連れて行こうとした。
ところが店の場所がわからず、返事はこないのは承知で私は彼に連絡した。
すると、三週間も既読無視していた彼から速攻で連絡が来た。
まあ、私は彼が実はすぐメッセージをチェックしていることは知っている。
そしてもともとは返事が早い人だということも知っている。
だからやはり敢えて故意に私を無視していたんだなと再確認できた。
そして私は彼に教えてもらったお店に学生と向かった。
そこまでの道のりでも彼と並んで歩いたことを思い出す。
学生がいちいち私の足元を気にして気づかってくれているのに対し、彼は早足で変わりかけた信号の時も一人で走り出して、足を怪我していた私が「もう少しゆっくり歩いてください」と言っても、ペースを変えなかった。
そんなことも冷静に思い出しながら、なぜ私はそれでも彼が好きなのかと不思議に思った。
そしてラーメン屋に辿り着いたが、店が入っている建物一帯バリケードされてて、どう見てもやっていない。
そして彼に「なくなってました」と送った。
「えっ本当ですか。知りませんでした…。この近隣で唯一、まともなラーメンが出るお店だったのに、悲し過ぎます…」
いつもの業務連絡口調とちがって、めずらしく素の彼が見える返信だった。
でもその後が彼らしい。
私が店周辺の様子を撮影して送った動画を見て、すぐ調べて分析もしている。
「送付された動画を見る限り一時的に工事でバリケードしているだけかもしれません。11月28日には客のコメントがアップされてました。SNSの情報でも閉店した記載ないですし、もしかして工事が終われば再開するのでは?と推測しました」
もうワーカホリックだな。仕事しすぎだろうと思ったが、彼らしいとも思った。
でもその前に私は、代わりにこんな謎のうどん食べましたと写真を送っている。
![](https://assets.st-note.com/img/1733982788-7Fvhs5bAx98oc1HuPNqXL3rD.jpg?width=1200)
もう以前から気づいていたけれど、彼は自分に興味や関心のないものは一切反応しない。
最初の頃に私に対して関心を持ってくれたこと、私が興味あること、私の言葉にいちいち反応してきたのは今や夢か幻だ。
もう私に興味も関心もなくなったんだろうと思う。
だけど、前に私は彼に
「私の気持ちを勝手に想像して決めつけないでください。不快です!」
と笑顔だったけど、「不快」を強調されて二回も言われている。
あと「Yahoo!ニュースみたいに一部分だけ切り取ってネガティブにとらえるな」ということも言われている。
だけど、既読無視され、無反応で、他の人にはしないだろう態度をとられ、何をどうみればよく思えるというのか。
じゃあ、無理やりよく考えてみよう。
部屋に来なくなったこと
→奥さんに対しての罪悪感
→つまり私を女性として見ている。
私の身の上話など聞かなかったり大事な話ほど話をぶった切ってくること
→彼は情に脆い人なので、私に情が湧くことを避けている
→私に対して特別な感情を持ち始めた。
もう残り短い時間、会う時間を増やしたいからと都合を聞いたことへの無視
→本当に忙しくてなかなか時間が作れない。
→はっきり断れば私が傷つくと思っているか、彼自身何とか時間を作れるまでは返事しないと決めている。
私にプレゼントをくれなくなった
→その他大勢の人へのプレゼントのついでと言ったことを根に持っている
→本当は私のためにプレゼントを選んでいたから傷ついた。
どれもこれも自分に都合のいい思い込みだ。
だけど、それが間違っているかどうかは彼自身にしかわからない。
性格がよくて人当たりもよくて人望もあるという彼が、私に対してはそれはないだろうってぐらいの塩対応だった。
じゃあ、嫌われているのかと思ったら、二人での食事に誘ってきたり、私が落ち込んでいる時も慰労会をしてくれたり、励ましたりもしてくれた。
本当にわからない。
彼は完全に私を忘れているわけでもなく、どうでもいいと思っているわけでもないとしたら?
時間が経ちすぎて連絡しづらくなっていた時に私からラーメンのことで連絡がきてすぐ返事がきたことも、彼がそのことを気にしていたからでは?
別に私は断ってくれてもかまわないし、むしろ「すみません、忙しくて」だけでもよかった。
それを無視して放置したのは、彼なりにどうしていいかわからなかったからでは?
彼は警戒心が強くて心配性で危機管理能力も高い。
そんな彼が私と二人で会っていること自体、矛盾する行動だったんじゃないのか。
そしてそんな自分に彼自身混乱していたのでは?
本当に奥さんが深刻に具合が悪かったとして、彼に恋愛感情を持つ私と合うのは、整合性が取れないことだろう。
結論
彼自身、自分が知らなかった自分の言動に対して混乱している。
今、彼が忙しいのは一月に帰国するからそのために仕事を完璧に終わらせたいからということなんだろうとは思う。
責任感がある彼のことだから、自分の都合で帰国することに対して負い目を感じているのかもしれない。
優先順位は間違っていない。彼はいつも正しい。
正しいと思うことを彼は常に選んできた。
だけど、それならラーメンのことすら無視すればよかったじゃないかと私は思う。
実際、その後のお礼のメッセージは無視しているのだから。
完全に私を断ち切らないのはむしろ彼のほうでは?
私は案外相手に無視されたり拒絶されたら一切切るところがあるし、それは彼も知っている。
だからこそ私に「白黒つけなきゃダメなの?」とか「0か100しかないの?」と言ってきたことがある。
私はそういう性格だ。
正直、このまま帰国の時に「お世話になりました。お元気で」と自分勝手な人間関係整理の連絡がくるぐらいなら、ブロックしたいと思っている。
だけど最後ぐらい会いたい。
最後ぐらい腹割って話したい。
本当の彼のままで。
恋愛脳がだんだん落ち着いてくると、はっきり見えてきたこともある。
彼は完璧な人なんかじゃない。
仕事ができるのも、学習能力が高い彼がこういう時はこうするというように努力してきた結果だろう。
前に私が彼に元夫の暴言を言った時、「それは言う言葉まちがってますね」と彼は言った。
それは私の心に寄り添う態度ではなく、この場面ではこうするべきという選択を常にしてきた彼視点の言葉だ。
本当は弱くて傷つきやすくて自分に自信がない彼がいる。
だけど、彼自身そんな自分を見たくもないなら、私とも会いたくはないだろう。
本当は最初に会った時からわかっていた。
この人は社会の中で家庭の中で築き上げてきた自分、社会のペルソナ=自分になってしまっているんだろうかと。
重い鎧を重ねに重ねてそれを外そうとした私を全力で拒んだ。
今はもうその選択を尊重しようと思っている。
そうやって人生を完成させるのも個人の選択だし、私には関係のないことだ。
ツインレイだかなんだか知らないけれど、相手が私を拒む以上、どんな関係も築けない。
自分と向き合おうとしない相手に執着するほど無意味なことはない。
私は彼に失望していた。