指導に不可欠な因数分解
前回の続きです。前回の記事は↓
相手が誰でも伝え方は変わらない
ここ数年は小学生だけでなく、中高生や指導者にも指導する機会が増えました。今年度からチームを立ち上げたため、今は小学生がメインですが、指導者にも指導する機会もまだまだあります。むしろ、SNSを始めてから増えたくらいです。熱心にアドバイスを求めてくれた指導者の2チーム共に無事に全国大会を決め、来週福岡の舞台で頑張ってくれることでしょう。どこまで力になれたかわかりませんが、大きなきっかけは作れたと思います。次の夏の県大会には創部して1年が経つ頃なので、そろそろ自チームでも結果がほしいところです。
前置きが長くなりましたが、あらゆる層に対してドッジボールを教えているのですが、基本的には同じ伝え方をしています。「子どもだから〜」「大人だから〜」も無ければ、一般選手としての経験も現役時代の結果も特に関係無く話しています。流石にまったく経験の無い方には伝え方は変わるでしょうが、指導者になる方なら保護者として何年もドッジボールを見てきている経験はあるでしょう。
変わるのは因数分解の段階
僕は「因数分解」と呼んでいるのですが、要は、ある事柄がどういったもので構成されているか、ということです。カツ丼なら「豚カツ」と「卵」と〜、車なら「バッテリー」と「タイヤ」と〜、みたいなことです。
カツ丼を説明する上で「豚カツ」で伝われば話は早いのですが、伝わらない方も必ずいます。その時は「豚カツ」を因数分解しないといけません。「豚カツ」は豚肉に小麦粉と卵とパン粉をつけて〜みたいな話をしなければいけません。
ドッジボールの現場で見られること
「正確なパスを投げなさい」
試合中に耳にしたことがある方は多いと思います。他にも多くありますが、とりあえず今回はこれで。正しいことを言っているとは思いますが、意識していないドッジボール選手は一人もいません。正確なパスをいつも心がけています。意識をしていないからできていないのではなく、意識していてもできていないわけであって、ここを絶対に間違えてはいけない。意識していないからできていないと考える人が多いから罵声は飛び交うし、アップデートもされない。
ここで因数分解をします。試合において正確なパスを投げるために何が必要なのか整理します。(普段の練習では10mのパスを正確にできることを仮定します。)
試合になると、普段の練習とは異なり、多くの要素が絡み合います。パスカットもいれば、後半につれてスタミナの問題も出てきます。他にも多くの要素があります。これらを一つ一つ整理していく必要があります。
パスカットの存在によって外野の立ち位置が急に変わることに対応できずに正確なパスができないのであれば、よりコミュニケーションを取る必要がありますし、スタミナを付ける必要もあれば、スタミナをいかに温存しながら戦うかを考える必要もあります。ハンドキャッチがうまくできないために東急が不安定になることだってあります。胸キャッチの後なら更に不安定にもなります。「正確なパスを投げなさい」の一言では済まない多くの要素があります。
どこまで理解できているか、それを理解するのも我々の重要な役割
指導する上で『前提』は非常に大事な要素です。「日本はアジアの国」と言っても、アジアがどの地域なのかを理解していないと話は進みません。上で話したカツ丼の説明も同じです。豚カツがわからなければ、豚カツを説明しなければいけません。相手がどこまで理解できているか、それを理解しながら指導していく方が絶対に効率良いですよね。新しいことを学ぶには既存の知識が不可欠なので。
なんだか手応えの無い文章になってしまいました。伝えたいことを伝えられてない気がとても…改めて言語化の難しさを感じました。また頑張っていこうと思います!