体重移動について
めちゃくちゃ久しぶりのnote。ある程度のことを抽象的にはXとnoteで書いたから、これからは具体的なことや細かいことを書いていけたらなと。重複した内容も出てくるだろうけど、そんなの考え出したらキリが無いですよね。
僕は投げ方をとても大事にしています。どうしても軽視されがちというか、細かいことを気にしなきゃいけないし、成果が出るまでに時間がかかるし、多くの人が敬遠しがちなところかと思います。直線的な成長グラフを描くことなく、投げ方は必ず指数関数的な成長グラフを描きます。
また、野球ですと、ストライクゾーンは相対的な部分もありますが、それは打者によるものであって、一人の打者に対してのストライクゾーンは固定されているため、以前と比べてストライクゾーンにボールがいくようになれば、それを成長として感じることができるのですが、ドッジボールですと、ディフェンスは常に相対的(常に動く)なので、成長を感じにくいのも続かない原因の一つです。
指導者として、選手の成長を感じることが一度でもできれば、成長をゆっくりと見守ることができるのですが、それがなかなかできないのが投げ方です。不安になるのも仕方ないですし、実りになっている気がしないのも仕方ない部分はありますが、一度でも成長を感じるまでは我慢と試行錯誤あるのみです。
前置きが長くなりました。それでは体重移動について。
体重移動するのは当たり前
投げ方の話になると「体重移動が重要」という話は必ず聞くと思いますが、そんなの当たり前の話で、あえて言うことでもないです。後ろ体重にする意識でもしない限りは嫌でも前へと体重移動します。僕らが意識するべきは、どのように、どのタイミングで体重移動するのか、であって、体重移動が重要だなんて話は、もはや何も話していないのと同義です。
体重移動に最も必要なこと
体重移動するにあたって最も必要なことは?
こう聞かれると、僕は迷わず「余白を残すこと」と答えます。当然のことですが、体重移動する余白が無ければ体重移動できません。これ、結構見落としがちなんです。
ここからは写真付きで説明します。
僕は右投げですので、ボールを投げる前には右足にすべての体重を乗せます。乗せるというか、片足で立っていますので自ずとそうなります。前に体重を乗せながら立つことの方が難しいはずです。この時、軸足、つまり投球時の後ろの足にすべての体重が乗っています。
問題はここから前に行く時です。左足を前に着く時の上半身の位置に注目です。(左足の着く位置、向きなどは、またどこかで書くかもしれません。今回は体重移動に絞ります。)体重移動の余白を残すように左足を着きます。
赤丸の部分が余白です。頭が後ろにあり、上半身が後ろに残っています。だから、前へと体重移動できるわけです。間違った体重移動をしていると、左足が着いた時に次のような写真になります。
上半身が既に前にあり、膝も曲がり切っていて、体重移動する余白がほとんどありません。また、この写真とは違うケースで、頭がさらに前(目線が下になるくらいの角度)に出ているのもよく見かけます。どちらのケースも前へ体重移動をしていますが、大切なのは投球の補助をする体重移動であって、体重移動そのものには何の価値もありません。また、頭から突っ込むことで腕を振りにくい、前を見れない、頭が一番上にあり重たいことから上手に体を動かせなくなるので、ご注意を。
慣性の法則で投げる
体重移動を使って投げることをよりイメージしやすいように「慣性の法則」の話をここで。なんとなく聞いたことがある方がほとんどだと思います。車の急ブレーキをイメージしてください。
車が急ブレーキをした時に乗っている人は自然と体が前へ出ますよね。あの現象を使ってボールを投げるんです。下半身が車、上半身が人だと考えてください。左足を着くことで下半身の動きを止め、そうすることで上半身が自然と前へ出てきます。車でも同じですが、仮に後部座席に座っている人が後ろの席にはもたれかからずに前の席にもたれかかっていれば、それ以上前に進むことはできません。そうです、余白がないからです。
自然と前に出てくる力を借りながら腕を振ると、めちゃくちゃ楽に今までよりも強く腕を振ることができます。
前への力を大きくすることと、前に行く力を大きくすることは、また別の話
前にXでポストしたのですが、前へ行くことだけが前への力を強くすることだとは限りません。
実際に僕は投げ終わりのタイミングくらいで後ろに体重を乗せるくらいのイメージで投げています。この数年で色々な選手に投げ方を指導してきましたが、前へ前へ行くことをやめることで楽に投げられるようになった選手を見てきました。
現時点(R6.10.29)では、体重移動をこのように考えています。小さな体でも全身を使うことで速い球を投げられます。誰にでもチャンスがありますように。今日はここで終わります。お付き合いありがとうございました。