【嗚呼、人生 vol.77】作文を添削するのは難しい
よく、日本語の先生から作文の添削を頼まれます。
頼まれた際は、以下の手順で文章を読むようにしています。
まず、誤字脱字と助詞の誤り。
次に、文法の誤り。
そして最後にその文章が意味を成しているかの確認です。
最初の誤字脱字は、主に漢字の誤りが多いです。また、新出の単語を誤って覚えていることもあります。これらに加えて多いのが、助詞の「が」のテンテンを付け忘れていたり、カタカナの「カ」とひらがなの「か」を間違えて書いたりすることです。そして、日本語の助詞は本当に難しいらしく多くの生徒が最低一つは使い間違えているので、その誤りを正していきます。誤字脱字で「正確さ」の点を落としてしまうのはもったいないのでしっかり確認していきます。
次の文法の誤り。生徒たちは、新しく習った単語を積極的に使おうとします。これはとてもいいことなのですが、新しく覚えたばかりなので間違えて使ってしまうことが多いです。たとえば「〜ことができます」という文法項目を使って文章を書くときに「しますことができます」と書いてしまう生徒がいます。細かい注意は先生が生徒にに作文を返却するときに伝えることになっているので、間違えているところをクロスして上に正しい表現方法を書きます。
そして最後に確認するのが生徒が書いた文章が意味を成しているかということ。誤字脱字もないし文法も正しく使えているけれど意味的にどうもおかしい。そんな文章をたまに見かけます。例えば「ながら」を使った文章。「ながら」は、一人の人が二つのことを同時にする様子を表す文法表現で「音楽を聴きながら大掃除をする」などのように使うことができます。しかし「しめ縄を飾りながら大掃除をする」のようには使うことができません。この場合、「ながら」に接続するために動詞を活用させているのでその点は素晴らしいのですが、物理的に不可能な行動について書いているので意味を成しているとは言えません。今回は「ながら」の例文をあげましたが、生徒が書いた文章の意味的な要素に着目するのが最後のステップです。
ざっと普段の作文の添削の手順を書きましたが、中には意味がよくわからない文章を書いてくる生徒もいます。そのような生徒たちの作文はどこから直すべきやらと困ってしまうことも多々あり、初級の学習者を教えることの難しさを実感しています。同時に、初級の学習者のつまずきポイントを垣間見ることができるので作文の添削はとても勉強になります☺︎
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