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禍話リライト

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#禍話

禍話リライト 怪談手帖『鼠不知(ねずみしらず)』

禍話リライト 怪談手帖『鼠不知(ねずみしらず)』

平成の半ば頃の話だという。

提供者であるAさん。
彼が休日の早朝に、目覚ましがてら、自宅の近隣を散歩していると。

ふと。
頭上から何かが降ってきて。
目の前の道路に転がった。

小石よりも小さい何か。
しかし、何故か妙に目についた。

拾い上げてみると。
薄茶色に汚れた、妙な形の白いかけらだった。

(何だろう、見覚えがあるような……)

しばらく観察してから、その正体に気づいて。
「……ウワ

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禍話リライト 怪談手帖『うわん』

禍話リライト 怪談手帖『うわん』

会社員のAさんの話である。

「……『ワッ!』っておどかすやつが苦手、って言うとさあ。
『わかります。ホラー動画とかのそういう演出、嫌ですよね〜』
なんて返されるんだよ。
まあ、合ってるんだけど……、ちょっと違うんだよねえ。
う〜ん、言い方が下手だから仕方ないのかなあ。
自分がおどかされるのは全然いいの。他人がおどかされるところを見るのが、無理なんだよ。
いやまあ、無理になっちゃったっていうか。そ

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禍話リライト 忌魅恐『夜になると誰かが私を描いている話』

禍話リライト 忌魅恐『夜になると誰かが私を描いている話』

提供者であるAさん(女性)が高校生だった頃の体験。

当時、同じクラスにBさんという女生徒がいた。
絵に描いたような成績優秀な生徒で、それでいて快活な性格で誰とも仲の良い、非の打ち所がないような女の子だった。

そのBさんの様子が、ある日を境に、急におかしくなった。
顔色が悪く、明らかに疲労が溜まっているように見える。
目元にはクマが浮かび、本人曰く食欲が落ちているわけではないとのことだが、以前と

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禍話リライト 忌魅恐『線香の匂いがする夜の話』

禍話リライト 忌魅恐『線香の匂いがする夜の話』

元は葬儀屋だというような物件は、よくない。
そういうお話。

どこの地方か。なぜ業種が変わったのか。
それらについては一切の情報が伏せられているが。
元は葬儀屋だった、という老人介護施設があった。
そこで夜間警備員のバイトをすることになった男性、Nさんの体験談である。

交通費は全額支給。
時給も、同じ地域の同じ業種と比較すると数百円は高い。
その他諸々の待遇も、かなり良い。
そんなバイトだったそ

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禍話リライト 怪談手帖『とっくに……』

以前、とある集まりで怖い話が話題となったことがある。
突発的だったこともあってタネはすぐに尽き、いわゆるブラック企業の怖い話が主役となってしまった。
僕(怪談手帖の収集者、余寒さん)は聞き役に徹していたのだが、座の終わり頃になってお鉢が回ってきた。
結局、自分の知るその系統での怖い話。『つ』というひらがな一文字にまつわる怖い話を語ってみたものの、そこは語り慣れない素人の悲しさ。怖がってもらうどころ

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禍話リライト 忌魅恐『もうすぐ事故が起きる話』

禍話リライト 忌魅恐『もうすぐ事故が起きる話』

『恐ろしい出来事』というものは。
曰く因縁の有無に関係なく、突然やってきて、去っていく。
そういうものらしい。

当時、某地方の大学院生だった男性、Kさんの体験談。

条件次第、ではあるが。大学生の夏休みは長くて暇なものだ。院生も、場合によっては、そうなることもある。
当時のKさんは、正にそういう学生だった。一年目にしっかり授業もレポートもこなしていたので、後は論文執筆のため、ちゃんとゼミに顔を出

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禍話リライト 忌魅恐『開かずになった自習室の話』

禍話リライト 忌魅恐『開かずになった自習室の話』

提供者である、鈴木さん(仮名、女性)
彼女が、某大学の院生だった頃の話。

大学院生ともなると、論文執筆の際に参照する書籍の量が膨大になる。
それらを持って大学と自宅を行き来するのも、かなりの重労働である。
それ故、ほとんどの大学でそうであるように、鈴木さんは学部から割り振られた自分の部屋、研究室に、書籍や資料を置いていた。

鈴木さんの通う大学は、学部生と院生で使用する建物が分かれていた。
院生

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禍話リライト 忌魅恐『地蔵のいる踏切の話』

禍話リライト 忌魅恐『地蔵のいる踏切の話』

提供者であるAさん(男性)が、とある大学の院生だった頃の話。

Aさんの通っていた学部は理系である。
どんな学部でもそうだが、卒業論文を書くために、実験、解析、調査、そこから得られた精密なデータ。それらが必要不可欠となる。
卒論審査というのはそもそも厳しいものだが、こうした学部でのそれは、さらに輪をかけて厳しい。卒論審査が通らず、留年する学生も少なくない。

Aさんの年下の友人であるBも、そんな学

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禍話リライト サバゲ地蔵

禍話リライト サバゲ地蔵

とあるサバゲーグループの話。

あちこちの山野や廃墟でサバゲーを楽しんでいたグループだったそうだ。
その時も、彼らは某所の山中にてサバゲーを楽しんでいた。

二つのチームに分かれ、フィールドである山谷を駆け回る。
その内、一方のチームの形勢が次第に不利になってきた。

不利になったチームのリーダーが、メンバーたちに指示を飛ばす。
「よし! 一旦分散して、最初の方に見かけた地蔵さんのあたりで集合しよ

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禍話リライト 忌魅恐『元カノがあきらめてくれない話』

禍話リライト 忌魅恐『元カノがあきらめてくれない話』

某大学のオカルトサークルが取材した当時、サバゲーを趣味としていた社会人、Aさんの話。

(※オカルトサークルについては『忌魅恐 序章』を参照)

ある時、仲間内で。
今度はどこでやろうか。どこかいい場所はないか。
と、そんな話をしていたそうだ。

サバゲー用の正規のフィールドを使用すればいいのだが、毎回となると料金もバカにならない。
それに、彼らの生活圏の近場ではフィールドもそう多くはない。
する

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禍話リライト 忌魅恐『あの先生に関して覚えていること』

禍話リライト 忌魅恐『あの先生に関して覚えていること』

Aさんという女性の、小学校の頃の体験。

ある年のこと。
Aさんのクラスの担任教師が、変な時期に、突然別の人に変わったそうだ。

普通、担任が変わる時期といえば、概ね、学年が上がって新学期になった時だ。

しかし、その先生は、夏休み前の中途半端なタイミングで、Aさんのクラスへやって来た。

もっとも、前任の先生は若い女性だったため、
(おめでたか何かで、急に休むことになったのかな?)
と、その時の

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禍話リライト 怪談手帖『しし地蔵』

禍話リライト 怪談手帖『しし地蔵』

『自然仏』(じねんぼとけ)
……という話をしたのをきっかけに、話者の方から採集できた。
『お地蔵さんみたいなもの』についての話。

※怪談手帖『自然仏』

提供者であるAさんが幼少期を過ごした集落には、鬱蒼と樹々の繁る一帯があり、鎮守の森めいた様相を呈していた。

しかし、彼の記憶する限り。
緑の奥にあったのは、社ではなく。

彼曰く『しし』とか『しし地蔵さん』と呼ばれる。
気味の悪い『何か』であ

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禍話リライト おちついた場所の手紙

禍話リライト おちついた場所の手紙

令和の初め頃。当時、大学生だったAさんの体験。

Aさんは、この体験により『二つのこと』が苦手になった。

一つ目は『山に入ること』である。
旅行、帰省、出張と。誰しも、そのように遠出をすることがある。そうすると、例えば自動車で山道を走ったり、新幹線で地方の山中を通過したり、という機会も少なくないわけである。
だが、Aさんはかつての体験から、
『自分も、妙なものを見てしまうのでは』
と考えるように

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禍話リライト 忌魅恐『赤い帽子の女』

禍話リライト 忌魅恐『赤い帽子の女』

Aさんという男性の、幼少期の体験。

某大学のオカルトサークルが取材した当時、彼はすでにそれなりの年齢であったという。
つまり、現代から見て、少なくとも半世紀以上は前の話。
……ということになるだろうか。

※オカルトサークルに関しては『忌魅恐 序章』を参照のこと

Aさんの母方の親族に、年齢の近い従兄がいた。
(仮に、彼の名を『ケンタくん』とする)

Aさんが小学校二年生のある日。
そのケンタく

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