ショートスケールベースに取り付けられる弦の話
ショートスケールベースで困る弦選び
あまり知られていない?ようですがショートスケールベースは一般的なエレキベース(ロングスケール)用の弦を取りつけられないことがあります。
マジで?
マジのマジ。順を追って説明しましょう。
エレキベース弦の構造
まずはエレキベース弦の構造について。
エレキベース弦は芯線(コア)に巻線を1~2回巻き付けて作られます。
1~2弦は1重巻き、3~4弦は2重巻きになっていることが多いですね。こうやって太さを稼いだり音質・演奏性に変化を与えています。
で、その2重巻き弦。
(メーカーにもよりますが)弦全体を2重巻きにせずストリングポストに巻かれるであろう先端部分のみ1重巻きにされていることがあります。
ストリングポストの構造・弦を通す穴の直径はメーカーによってまちまちですが2重巻きの弦が通らない(巻けない)仕様の製品も少なくないため、部分的に細くすることで幅広いベースに取り付けられるようにしているわけです。
10cmの壁
一般的なロングスケールベースの弦長は34インチ程度。
対してショートスケールベースの弦長は30インチ程度。
4インチ(約10cm)も差があります。そんなショートスケールベースにロングスケール用のベース弦を使うと…
2重巻きエリアがストリングポストを越えてしまうんです。そりゃそうだよね。
僕が所有しているムスタングベースのポストは2重巻き弦を巻くことができる構造なのでこういう状況に遭遇しても特に問題ありません。
一方、ブロンコベースのポストは弦を通す穴が小さいため取り付け不可能。
改造したりペグ(マシンヘッド)を交換したりしない限りショートスケールベース専用弦を使う必要があります。
交換用の弦を購入する際は先にストリングポストの仕様がどうなっているかを確認して下さい。穴や溝が2mmよりも狭ければ1重巻き前提の構造と考えていいでしょう。
おすすめのショートスケールベース専用弦
※「ショートスケール弦」と明記されている商品でもすべてのショートスケールベースに対応するとは限りません。色々なものを試して自分のベースに適したものを見つけましょう。
Fender Super 5250XL
フェンダーのショートスケール弦です。ピッチがシビアになりやすいショートスケールと相性の良い細めのゲージ。
D'Addario Short Scale .045-.100 EXL170S
ご存知ダダリオのショートスケール弦。おそらくもっともポピュラーなショートスケール弦だと思います。
D'Addario Short Scale .050-.105 EXL160S
EXL170Sよりも太めのゲージ。こちらもポピュラーです。
ERNIE BALL 2854 SHORT SCALE SUPER SLINKY BASS
アーニーボールのショートスケール弦。フェンダー、ダダリオとは違うゲージセットなのが魅力です。
ERNIE BALL 2852 SHORT SCALE REGULAR SLINKY BASS
ゲージ違い。