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同じ現車合わせセッティングでもオーナーが求める意向に沿えるか否かで、その意味は異なって来ます。他店にて現車合わせセッティング済のJW5 S660を我々ビークルフィールドが再度現車合わせセッティングすると・・・?

良くこんな問い合わせが来ます。

「他店にてECUセッティングして貰ったのですが
 どうも調子が悪いので一度見て頂けませんか?」

他店にてECUセッティングして貰ったのであれば
そのお店にて見てもらって下さい・・・。

前に数度あったのですが
基本的なセッティングは施工費の安い他店にて行い
微調整レベルであればビークルフィールドでも安くやってくれるだろう

と言う甘い考えから来る安易な問い合わせ。

安心して下さい。
すべて0からやり直し・・・
いやノーマルデーターに戻す事を考えると
マイナスからのやり直しなので、ガッツリと費用は掛かります。

それと
「ちょっと見て欲しい」
と言う表現。

見るだけで良いなら1秒ぐらいは見ますが
見ると診るとでは大違いです。

体調が悪い時にお医者さんに行って
「見て下さい」
とは言いませんね
「診て下さい」
が正解です。

ちょっと診て貰っただけでも診察料は掛かりますよね。
クルマも同じです。
診るだけでも診察料が必要になります。

なんでもかんでも費用を抑えようと必死になると
回り回って自分に跳ね返って来ます・・・。

しかし今回我々ビークルフィールドに山梨県から入庫した

こちらのJW5 S660は、この愛車を愛してやまない
いわゆる無類の愛を捧げるオーナーに選ばれた個体でして
前述したケチ臭いオーナー達とは一線を画する要望にて
ダイナパックに載せられました。

HKS製のGTⅢタービンを主軸に様々な部位まで手が入り
一度は他店にて現車合わせセッティングが施された物の
そこからサージタンクの交換や細かい部分の仕様変更が施されたとの事。

これを期に再度現車合わせセッティングを施工するに辺り
我々ビークルフィールドに白羽の矢が当たったと言う流れです。

実際にFSWを走って診ても、調子が悪いと言う箇所はなく
安定した速さも出ているとの事ですが、現状の状況把握も含めて
ダイナパックによる現車合わせセッティングをお請けしました。

どこかの誰かさんみたいなケチ臭さは微塵も感じられません

現状で調子が悪い所は無い様に感じる物の
プロの手で再吟味して頂きたいと言うS660オーナー。

そんな依頼をお願いされれば
自ずとチェックをする目の眼圧も上がって行きます。

まずは入庫状態の体力測定から始めますが
ECUにPCを接続し
各センサーからのLOGを取得しつつパワーチェックして行きます。

EVC7にプリセットされたブーストは

OFFモード含めて5種類

LOGを診ると基本的に
アクセル全開高負荷高回転域の空燃比が少々薄く感じられ
FSW本コースを走る際の全開時間を考えると
もう少し燃料冷却率を上げたいと思います。

っがインジェクターの要領的に足りるのか?
と言うのを考える為、噴射時間から1サイクル当たりの噴射割合を計算し
まだ全噴射までは余裕がありそうだと判断。

エマージェンシー的な制御分の余力を残しながらも
高回転高負荷での空燃比を
もう少し濃い方へと調整出来る余地が見受けられたので
ハードパーツの交換は行わずに
ECUの再セッティングを始める事にしました。

昨日のnoteでは

いわゆる吊るしと呼ばれる決め打ちデーターと
現車合わせセッティングの差を紹介しました。

しかし本日は
既に現車合わせセッティングが施されている車両
に、我々ビークルフィールドが
再度現車合わせセッティングを施工する
その意味について、セッティング後の空燃比や
各ブーストでのパワー&トルクグラフの比較を交えて説明して行きます。

っが、ココからは申し訳ありません、有料記事となります。


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