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一般的には無頓着に生涯交換される事のないCVTフルード、通称CVTF。メーカーもディーラーも交換を進めるどころか、交換しない方が良いと言われる事もあるこのフルード。油圧と言う面ではなく金属ベルトと言う構造を考えると・・・。

スバル車におけるリニアトロニックCVTフルードを
生涯無交換で過ごすオーナーが多いのは
それをディーラーが推奨するからであって
本当に無交換で良いのか?ダメなのか??に関しては

こちらのnoteにて書き綴っています。

っで本日はトヨタ車の場合。

その特殊なパッケージングによりコアなファンが多かったマークXジオ。

この車両もグレードによってはCVTを搭載しており
当然CVTフールド、通称CVTFが入っています。

購入したディーラーでは、CVTFの交換の話になるたびにお茶を濁され
CVTF交換が必要だとも、必要ではないとも言われぬまま8万キロが経過。

はっきりとした性能低下は感じないものの
やはりオイルと言う物である以上
一定の使用や経年で劣化はすると思うので
交換して頂けますか?

と言う事で我々ビークルフィールドに入庫しました。

そうですね。
トヨタ車におけるCVTF交換は、確かに
「交換しなくても良い。」
とか
「交換した方が良い。」
と言う明確な情報が無く、ディーラーに相談しても
「緊急性は無い。」
とか
「今すぐに交換する必要はないと思われますので。」
と言って、遠回しに交換を先延ばしにされる感じでしょうか。

簡単に言うと
「交換したくない。」
と言うのが本音なのかもしれません。

他のnoteやHP内のブログでも何度も言っていますが
ディーラーとは
新車を売る所
です。

もちろん買って頂いた車両をメンテナンスする事は必要ですが
1番の目的、それはクルマを売る事です。

新しい新車を1台購入してもらったら
次の目標は
次の新車を買ってもらう事。
そこまでの縁を切られないようにする為
買ってもらったクルマのメンテナンスを行う。

誤解を招く表現かも知れませんが
商売の主幹としては、こう言った基本的な考えがあると思います。

「明日から、車、売らなくて良いから
 それ以外の部分で今と同じ売り上げを確保して下さい。」

って言われたら、どれだけのディーラーが存続し続けられるでしょうか?

恐らく 0 かと・・・。

なので、ディーラーはクルマを売る所です。

1台のクルマに10年も20年も乗り続けて貰うために
メンテナンスを行い続ける場所では無いのです。

なので事、CVTFに関しても
メカニックとしては
交換しなくても良いとは言えないものの
ディーラーに勤務するスタッフとしては
交換しましょう!とも言いにくい・・・

そんな感じなのかも知れません。

前置きが長くなりましたが、マークXジオのCVTオイルパンを取り外し

底部に残っていたCVTFを観察すると、ドロッドロな感じで
同じ8万キロぐらいで抜いたATFと比べると明らかに粘度がおかしいです。

マークXジオに採用されるCVTと金属ベルトの詳細。
金属ベルトの構造やどうやって動力伝達するかが書かれています。

通常のトルクコンバーターを使ったオートマチックトランスミッションは
油圧で制御される項目が多いので
ATFの劣化により油圧が掛かりにくくなると、変速ショックや滑り等
体感できる不具合が発生します。

なので、多くの人はATFは交換したがるのですが
CVTは?と言うと、主に金属ベルトの潤滑?と言うか
滑らかに変速する為のトランクションフルード的な・・・?
そんな感じに捉えられているのかもしれません。

もちろんCVTプーリーの作動に油圧を使っているタイプであれば
CVTFの劣化でプーリーの動きがおかしくなることもあるでしょうが
動きが大きいと言うか
AT内の各ソレノイドバルブやプラネタリキャリアの制御の様な
複雑な制御の絡み合いと言うほどの繊細さが感じられず
CVTF交換しなくても・・・
まっ良いか。
と考えられがちなのかもしれません。

っが、良く見て、考えてください。

金属ベルトって、自転車やバイクのチェーンの様に
常にスプロケットっとかみ合ってる訳ではないですよね・・・?

・・・えっ?・・・

はい、だから8万キロでも抜いたCVTFはドロッドロなんですよ。

その辺りの話と実際に交換した際のCVTFが
どれくらいの交換だと、どれくらいまでにしか透明度が出ず
どこまで交換したら、奇麗になったのか?
有料ページにてもう少し詳しく書き綴って行こうと思います。


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