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我々ビークルフィールドがブレーキキャリパーを交換する際にエンドレス製を推す訳。それは性能的な理由だけでは無く責任を持ってブレーキキャリパーメーカーとして歩みを進めているからです。それはOEMメーカー製を選ばない理由にも繋がります。

我々ビークルフィールドは
闇雲にブレーキキャリパーを交換する事をお勧めしていません。

ブレーキはその踏み方による挙動変化から
クルマの向きを変える装置の一部ともなり得ますし
同じクルマを止めると言う作動の中でも
キャリパーが受け持つ役目は大きいからです。

車重に見合わないキャリパーを付けてしまうと
ブレーキペダルに足を乗せただけで制動が立ち上がってしまい
踏んだ分だけ制動させ
緩めた分だけ制動を抜くと言う操作ができなくなります。

量販店や物売りショップさんで
バカでかいキャリパーを装着されてしまった
ZC33S スイフトスポーツなどを診る事がありますが・・・。

こんなキャリパー、要らない。

と言う結果になることが多いです。

そしてそんな売りたがりな お店でお勧めされるキャリパーキットに限って
初期制動の強めなパッドしか選べなかったり
ローターがすぐに歪んでしまったりと
性能面でNGなキットが多いのも事実です。

ZC33S スイスポなんて元々1000㎏を切った車重なので
サーキット走行をそれなりに楽しんでいてもパッド交換で対応出来ます。

ローターまで替えてあげればかなりのパフォーマンスアップにつながるので
見た目だけのキャリパーキットを付けるより
はるかに良い仕上がりになります。

っが、それでもキャリパーキットを装着する場合があります。
例えば耐久っぽい草レースに参戦するとか
そもそもの純正ブレーキのタッチが好みでは無く
制動の立ち上がりや緩め方をよりリニアにしたい!
と言う要望がある場合です。

でも基本的にエンドレス以外のキャリパーキットを
推奨&装着する事はありません。

一般的にOEMブレーキと呼ばれる

発売メーカーが自社では製造していないキャリパーキットが
世の中には溢れかえっています。

台湾や香港、中国大陸内部等で製作されたこれらのブレーキキャリパーは
製作したメーカーのブランドでは、とてもじゃないけど売りさばけないので

世界各国のメーカーやショップの名前を着せて
OEMと言う形で世に放たれます。

GDBのデモカーでサーキットアタックをしていた時代に
某国のブレーキメーカーから
ショップオリジナルブレーキキットを造らないか?
と言う話ががあり、テスト品を購入しました。

フロント6POT、リア4ポットで
ピストンのダストブーツはなく、覗くとシールが直に見える構造でした。

装着してフルードのエア抜きを行い
エンジンを掛けてブレーキブースターに負圧を蓄え
ブレーキペダルガン踏みでブリーダープラグからフルードが滲みます。

規定トルクで締めたブリーダーからフルードが滲む。

っと連絡すると

「もっと締めろ。」

2割り増しのトルクで締めても滲むので

規定トルク2割り増しでもまだ滲む。

っと言うと

「もっと締めろ。」

4割増しで締めようとしたらブリーダープラグがねじ切れました・・・。

結果を報告すると

「新しいブリーダープラグを送るが多少フルードが滲んでも問題はない。」

すごい事を言うもんだな~と思いつつ
若干のにじみを懸念しながらもスパ西浦でテスト走行。

制動力事体に問題はありませんでしたが
ダストブーツが無いのにピストンとキャリパーのクリアランスが広いので
細かい砂が入ってピストンに付着。
なんども繰り返されるピストン摺動部に砂が入り込んで
表面のメッキが剥がれフルードが滲んできました。

申し訳ないが、このキャリパーを
弊社のオリジナルブレーキキットとして売る事は出来ない。

そう伝えた半年後、大々的な宣伝文句と共に
日本中でそのキャリパーキットを使ったブレーキキットが
販売され始めました。笑

まあ、こう言う裏話も経験しているので
ブレーキキャリパーの選択には慎重を期し
今の所、我々ビークルフィールドとして
自信をもって勧められるキットを造っているのは
エンドレスのみと判断しています。

もちろん性能面としてエンドレスキャリパーと肩を並べる
ブレーキキャリパーはたくさんあると思います。

っが、OEMブレーキメーカーにありがちな

大人の事情や輸入キャリパーを主軸としたブレーキキットの内情を知ると
そう言った類のキャリパーを使ったキットは購入したくなくなります。

性能以外の面で
責任を持ってブレーキキャリパーメーカーとして歩みを進める
とは、一体どういう事なのか?

今回、トラブルとなったブレーキキャリパーメーカーと
エンドレスとの大きな違いを説明しながらの開設は
有料ページにて書き綴ります。


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