笑いも悔しさも涙も全部
ワンルーム6帖で、冷蔵庫も布団も机も全部共存しているこの空間で、
唯一、毎日のように賑わう料理撮影のスペース。
作業机に60cm×60cmの背景ボードを置いただけの
この小さな場所で収めた写真には
笑いあり悔いあり涙ありの
私の人生が刻まれている気がします。
ブランクからの新しい道へ
こちらの記事でも書いていたように、
私にとってのカメラの始まりは野鳥撮影でした。
勉強や部活、習い事でいっぱいいっぱいになった高校では、
いつの間にかカメラを触ることはなくなり、
何処へ行くにも肌身放さず持っていたカメラは
タンスの肥やしになることに。
それから時を経て社会人1年目。
ヴィーガンのライフスタイルへ移行したことを機に料理に目覚めると、
眠っていた一眼レフカメラを取り出して、
毎日何かを作っては撮影するようになりました。
毎日ひたすらに
インスタに上がっている素晴らしくて魅力的な写真を参考にしては、
レシピを作って撮影を。
毎回撮っている時は、いい写真になるとわくわくでいっぱいになるけれど、
いざ編集を終えて1日経つ頃には、
すぐ改善点が目について、どうにも納得がいかない。
インスタを見てくださる方は、
みな揃って "写真が綺麗!!!" と言ってくださるけれど、
どうにもこうにもモヤッとしてしまうのが、いつも悩みでした。
"自分らしい"写真がわからない
2023年になって、色々なご縁でいくつかの企業案件を担当することに。
初めての本格的なプロダクトカットに挑戦して、
プロで活躍する友達にアドバイスをもらいながら、なんとか乗り越えた私でしたが、
その時に初めて、カメラ人生の中の大きなスランプに陥ります。
プロダクトカットは、私が普段レシピ投稿のために撮影しているカットとは違って、
商品全体が細部までしっかり映らないといけない。
そして、元気で明るいブランドの世界観に合わせて、かなり明るめで色味ははっきりしないともいけない。
それを意識しすぎて、ふと自分の料理を撮影・編集するとなった時に、
自分らしいスタイルがわからなくなりました。
それに加えて、企業のプロジェクトでの慣れない撮影と、それに伴うイレギュラーでハードなスケジュールに、心身ともに疲弊。
そのころに撮った料理写真は、
私の魂が抜けてしまったような、なにも伝わらない空っぽの写真でした。
自分らしさを見つめなおして
案件を終えてから、
自分がどう生きていきたいか、何をしていきたいかをゆっくりと時間をかけて見つめなおして
少しずつ、私らしい写真が戻り始めます。
完成写真に比べたら、肩の力を抜いて撮影していた工程写真でさえも
段々とこだわりはじめ、
いつの間にか、その写真を愛おしく思う自分さえいました。
笑いも悔しさも涙も
スランプに陥り、それを乗り越えた経験から改めて実感したのは、
嬉しさ・悔しさ・悲しさ・怒りといった感情や体調などすべてが
写真には現れるということ。
生活の一部だったカメラを触ることすら嫌になってしまうほど、
確かに、スランプ時期はつらかったです。
でも、その時期があったからこそ
改めて"自分らしさ"を見つめることができて、
数日たっても、数週間たっても、
「これ、好きだなあ」
と思える写真が撮れるようになってきた。
それを思うと、私には必要な試練だったんだなと
今では思えます。
写真にすべてを込めて
好きなことに没頭する楽しさも
自分を認めてもらえた嬉しさも
10年以上苦しんだ摂食障害の経験も
社会のレールから外れて、生死をさまよったうつ病の経験も
それらのすべてが、私の写真にはこもっているんだと思います。
ただただ、”新鮮で鮮やかでおいしそう” だけではない、
そんな何かが伝わる写真+α のコンテンツ。
私が人生をかけて残していきたいのは、そういうものなんだと思います。
…自分のカメラ人生を振り返って、これから進みたい道も見えてきたところで、
ここに最近のお気に入りの一枚を残して、いよいよ公開ボタンを押します…
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