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なぜ菜乙女塾を始めようと思ったのか?その趣旨について


ビーガンに対する勝手な偏見を持っていた頃

突然ですが、皆さんはビーガンに対してどのようなイメージをお持ちですか?

私、もともとビーガンが大嫌いだったんです。
私がビーガンを知ったのはアメリカに住んでいた時でしたが、当時の私は美味しいものが大好きでビーガンになってまでして美味しいものを諦めるなんて思ってもいませんでした。
私が出会ったビーガンはいちいち料理で食べられない物をうるさく注文つけてくるし、「ビーガンが健康や環境に良いアピールを人に説教してくるめんどくさい人だなぁ」とうっとおしく思ってました。
もっと楽しいことも沢山あるのに人生損してるなぁと思っていたし。
食べてる料理も薄味でパンチがなく美味しくないし。
一言で言うと「味気の無い人生」を歩んでいるなぁと勝手に思ってました。

ところが!そんな私がビーガンになってしまったんです。

きっかけは体調不良やアレルギーが原因で体が動物性の食べ物を受け付けなくなってしまったんです。
ビーガンになり始めて最初の3日間ぐらいは豆腐や野菜に味付けした料理を食べてたんですが、料理のレパートリーがあまりに少なくて、3日目にしてメニューが尽きてしまいました。
「このままだとヤバイ!」と思って、ふと思い立ってビーガンのレシピ本を探して買ってみることにしました。アマゾンで注文した本が家に届いて、今まで作ったことない食材や調理法を使ってビーガン料理というものを作るようになったんです。

これが私のビーガンライフの始まりです。

私が料理の基礎を築き上げられたのは家族親戚が調理師だらけの家庭環境と、アメリカに住んでいた頃の経験が大きかったと思います。小学1年生の頃から料理を始めましたが、舌が肥えた家族にダメ出しを入れられてばかりでしたが、料理は好きでした。
アメリカにいると日本食が恋しくなって自分で作っていましたが、私が住んでいた地域はニューヨークやサンフランシスコなどの大都市とは違って、日本食の基本的な調味料というものが一般的に売られていなかったんです。なのでアジアや中華食材屋さんで基本的な材料を買って全部自分で作る必要がありました。このような環境で料理の基礎を築いたため、何もないところから料理を作ることに慣れていたので、日本でビーガンを始めた時もゼロから調味料も含めて全部作るということにあまり抵抗がなかったというのは大きかったと思います。
また、世界各国の料理を提供する飲食店があったので、世界各国の料理を知ることもできました。ベジタリアンの人達と日本食を食べる時に、ベジタリアン達がどのように日本食をアレンジして食べていたのかや、ベジタリアン料理がどのように作られていたかを知る機会もありました。

ビーガンになったのは日本に帰国してからなので、日本の環境で日本の食材で自分でビーガン料理を作り始めました。

ビーガン料理を作るようになって初めて分かったんですが、ビーガン料理ってちゃんと作ればマズくないんですね。それどころか美味しくて元気が出ることもあって、今までの人生で食べたことがない味に感動したこともあります。美味しいビーガン料理はビーガンを続ける最も重要な要素だと思います。

しかし、日本のビーガン飲食店は…

ところが、、、
その後、しばらくしてから日本でビーガンの飲食店でビーガン料理を食べる機会があって食べてみたんです。
食べたらですね…日本の料理なのに美味しくなかったんです。

※「マズい」の定義
誤解が無いように補足しておくと、たとえ世界的に見たら美味しい料理でも、日本の飲食業界の競争の中で見て、舌の肥えた日本人から見た時に「マズい」カテゴリに入ってしまう、という意味で使っています。なのでここではあえて「マズい」とカッコ書きで表記しておきます。

その後いくつかビーガンの外食をする中でマズくはない料理もありましたが、毎日食べたいとは思わない料理が多かったです。
普通のお店だったらとっくに潰れてるんじゃないかと思ってしまいました。(いや、分かってますよ。自分の舌が肥えすぎているのも…汗。)

でも、これって本当は変なことだと思いませんか?

日本はもともと世界で一番料理が美味しい国のはずなんです。美食大国日本のビーガン料理なら、もっと美味しくなるはずだと思いませんか?
実際に私が自分で作るとちゃんと美味しくなるんで「おかしいな…」とずっと思ってたんです。
でも中には美味しいビーガン料理にも出会ったりもして、何回か外食を経験すると、ある法則に気づくようになったんです。

つまり、「マズい」お店の共通点が分かったんです。

  • 特徴その1。そもそもお店の料理人が熟練のシェフではない。
    このパターンのお店はビーガンを広めたいと思って頑張っている人が多いと思うので、これは非常にもったいないことだと思います。そもそも料理人の料理の技術が、熟練のシェフのように知識が豊富にあるわけではないので、たとえビーガンでない料理を作ったとしても「マズい」のではないんじゃないかと思っています。そうは言っても私はこのようなお店に対して批難するつもりはなく、ただ美味しくなるコツを知っている人達が教え合って成長すれば良いんじゃないかと思っているんです。

  • 特徴その2。外国人がやっている。
    この場合は外国人向けの味付けで料理をしているんで日本人の口に合わないだけなんじゃないかと思ってるんです。このパターンのお店の場合、お客の多くは外国人で、レビューも外国人のレビューはランクが高く、日本人のランクは低い傾向があると思います。
    このケースは外国人や海外在住経験のある日本人がお店を運営している場合も多いと思います。例えばイギリスはビーガン人口が多い国ですが、その反面料理は一般的にすごく「マズい」という印象があります。もともと料理が「マズい」から、ビーガン料理にして良い食材を使うことで料理が美味しく変身してしまうんですね。私はこれは正しい原理だと思っています。

私はあえて言いますが、

日本での巷のビーガン料理は、
ビーガンだから「マズい」
のではなく、
ビーガン料理を「マズく」している原因があるから不味いだけだ
と思うんです。
日本の様々な食材や技術をもってすれば美味しいビーガン料理を作れるはずだと思いませんか?
なので、このような記事を立ち上げて、日本でのビーガン料理の足を引っ張っているものを外していきたいと考えているんですね。

これまで10年以上ずっと他の人の料理を見て色々なことを思ってきたんですが、私の頭の中と同じことを言っているビーガンに出会ったことはほとんどありませんでした。
でも、ビーガンじゃない人達に聞くと、私と同じことを思っている人も何人かいました。
なので、
「恐らくこのまま待っていても声を上げる人は出てこないんじゃないか?」
と思って、私自身が声をあげて伝えていこうと思うようになりました。

この記事の対象者について

もし既にビーガンを実践していて今あるビーガンの情報や作法に不満が無いのであれば、この記事を読んで実践する必要はないと思います。
でも、もし
「今日本にあるビーガンは何か日本人に合わないし、なんか違う気がする」
と思っていて、この記事を見て思い当たることがあるようであれば、試しに実践してみていただければと思います。

ケースバイケースだと思いますので、正直、うまくいく保証はないと思いますが、「うまくいけば儲けもの、とりあえずやってみても良いんじゃないか」という気持ちで読んでもらえればと思っております。

以上が、自己紹介がてら、この記事を書こうと思った経緯のお話でした。
私もプロのシェフではありませんが、色々な人達とのやり取りを通じて、ビーガンの中で私しか知らないかもしれない情報を出していこうと考えていて、今後、色々とアップしますので読んでいただけると幸いです。


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