02_2M. 第二の扉 「ビジネススキルの棚卸し 60項目」
「ないのなら、自分で作れ、自分の型」を合言葉に、自分自身の体系化でまとめた手法と同じ要領で、ビジネススキルを棚卸し、グルーピングして整理しました。最終的には、4つの視点で60項目を洗い出します。では、棚卸しのネタから話を起こしていきます。
識者の分類 34項目
まず学者や知識人によって学術的に捉えられている事例を2つ紹介します。
経産省「社会人基礎力」12項目
最初に取り上げるのは、経済産業省が2006年に提唱した「社会人基礎力」。そこでは、大きく「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」の3つに基づき、12項目に分類しています。ここからは、そのまま12項目を抽出しました。
ハーバード大学 Katz'sモデル 22項目
次に紹介するのは、ハーバード大学のロバート・カッツ教授による「Katz's Three Skills Approach」。この理論では、組織マネジメントに必要な3つのスキル、technical skills (業務遂行能力)、human skill (対人関係能力)、conceptual skill (概念化能力)が、職位に応じて比率が異なることを視覚的に表現しています。ここから、22項目を抽出しました。
人材サービス大手のスキル研修 11項目
二番目は、「人材サービス大手によるスキル研修」。代表例としてリクルート社のビジネススキル研修 を取り上げます。この研修では、課題解決(考えて実行)、対人(人を動かす)、自己(自分をコントロール)の3つの領域を基に、18項目あります。他社の研修内容も、概ねこの項目に分類されます。
「ビジネススキル研修」からは、以下の点を考慮して私は11項目を抽出しました。
「人を動かすスキル」: communication、negotiation、leadershipの3項目に集約
知識は除外: 財務/会計、戦略/マーケティング、英語/グローバル、ビジネスマナーなど
課題解決で評価の高い本「地頭力を鍛える」 6項目
三番目は、頭の使い方に絞ります。その中でも最重要領域のひとつ「課題解決力」の観点から、評価も高く、私自身も腹落ちした参考書「地頭力を鍛える」より、基礎と応用に分けて6項目に集約しました。
MGR評価項目 9項目
最後の視点は、MGR評価基準。ネット上からマネージャーを評価する共通項をまとめて表にしました。パフォーマンスを高めるために必要なスキル、チームとして結果を出すために必要な協調性、自己啓発を促すためのモチベーション向上の3つの視点から、9項目に集約しました。
似た評価に識者の分類で紹介した「Katz'sモデル」 (組織マネジメントに必要な3つのスキルが職位に応じて比率が違うことを可視化) がありますが、こちらの方が多くの会社で使われており、実務的でしょう。
まとめ
ビジネススキルを体系的に整理するため、4つの視点からビジネススキルをリストアップし、合計60項目を抽出しました。次のセクションでは、これらをグループ化して整理した一覧表を作成します。
識者の分類 (経産省「社会人基礎力」とKatz'sモデル): 34項目
人材大手が提供するスキル研修 (リクルート社のビジネススキル研修): 11項目
課題解決で評価の高い本「地頭力を鍛える」: 6項目
MGR評価項目 (ネット上から共通項を切り出し): 9項目
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