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父が教えてくれたこと

父が運転する車ではよく「ラジオ」が流れていた。
自営業だった父の作業場が私の部屋の真下にあり。
休みの日でも目が覚めると、うっすら聞こえるラジオの音と作業音。
なんだか心地よかった。
共働きで家にいることが少なかった両親だか、下から聞こえるラジオで
「お父さん、下にいるんだ」と父を感じられた。

父のお気に入りの番組を一緒に聴くようになってから、私もラジオを聴くのが習慣に。

父と一緒に地元のFM局の公開収録を見に行ったりもしていた。

FAXでお便りを送ってみたり。
ステッカーをもらって、嬉しくて勉強机に貼ってみたり。

自分で書いた文章がラジオを通して読まれた時、小学生の私はなんとも言えない高揚感を味わった。

中学生になり勉強しながら深夜に聴いていたラジオで
「あぁー、こんな夜中にまだ起きている人いるんだな。仲間がいるんだ」とみんなで悪いことしてる共通認識の芽生えのような感覚がたまらなく好きだった。
オールナイトニッポンで聴く芸能人のトークはテレビでは言えない、深夜ラジオだからこそ許されるようないつもとは違う特別感もあった。
ラジオは、パーソナリティとリスナーの距離がすごく近く感じる。
テレビでは「視聴者のみなさん!」と呼びかけるが
ラジオでは「リスナーのあなた!」と呼びかけることが多い気もする。

そう!今聴いてるあなたですよ!と。
声だけなのにまるで目の前にいて、肩を叩かれているような不思議な感覚がある。
1人部屋で勉強している時や眠れずにゴロゴロしている時にラジオを聴くと心が落ち着いた。

しかし社会人になってさまざまなコンテンツが登場し、しばらくラジオから離れていた。
そして10年ほど前に今度はPodcastに出会ってしまった!

ラジオのような音声コンテンツだか、収録されたものなのでリアルタイムではない。だけど、好きな時に好きなだけ聴ける!

最高!!!
当時は、今ほど芸能人が配信しているわけではなく一般人の方が配信している番組がメインだった。
だからなのか?ラジオよりさらに距離が近く感じて、カフェで隣の人たちが話していること聞いちゃってる感じ。

特に、息子を出産後の1年間は
ヘビーユーザーだった。
ほぼワンオペで実家も遠く仲良しの友達もいない。
しかも、コロナ禍。
ただでさえ孤独で社会から離れている感覚なのに。
みんなマスクして極力会話をしない。
黙食が当たり前。
大人との会話に飢えていた。
誰かと気軽に話したい。悩みを聞いて欲しい。
何よりも「私だけじゃない」「孤独じゃない」と思いたかった。
安心感を求めていたのかも。

家事をしながら、ミルクをあげながら片耳ではイヤホンでPodcastを聴く日々。

まだおしゃべり出来ない息子と公園に行く時も、わざと遠めの公園までドライブしながらPodcastを聴いていた。
大袈裟ではなく、Podcastがなかったら育児ノイローゼになっていたと思う。

出産を控えている全妊婦さんにおすすめしたい!
特に夜中の授乳や寝かしつけの時にはぜひ片耳Podcastを!
産後の孤独から少しだけ解放されます。

私はこれまでたくさんの人の「声」に救われた。

お父さん、私にラジオを教えてくれてありがとう。
これからは、息子を乗せた車内でラジオやPodcastを聴きながら。
一緒に公開収録とか見に行けたら最高だよね。
お父さんもこんな気持ちだったのかな?
(父はまだ健在です。)


#モノカキングダム2024 #こえ

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