【カノッサの屈辱】恋愛ゲーム史(1979~1996) 土器メキと中央集恋体制の確立(7)
[一方、1995年から96年頃にはセ我氏の勢力はその絶頂にあった。より勢力の拡大を図るセ我氏と推古ナミ天皇は、聖ときめき太子を自身の勢力…]
※ こちらはpart.7です、part.1よりお読みください! ※
◇ 拡大するセ我氏と太子信仰
一方、1995年から96年頃にはセ我氏の勢力はその絶頂にあった。より勢力の拡大を図るセ我氏と推古ナミ天皇は、聖ときめき太子を自身の勢力下に取り込もうとしていた。
そして1996年、遂に聖ときめき太子はセ我氏に取り込まれてしまうのである。
時を同じくして、この頃から聖ときめき太子の神格化が進んでいく。独身男性たちは、聖ときめき太子を象った彫像をこぞって買い、その説法が収められたCDを集め、太子指定のブルマを履いてコスプレイベントに出かけたという。
このような聖ときめき太子の神格化のことを 「太子信仰」 という。
太子自身の威光による自然発生的な神格化とも、セ我氏版の限定版が、付属のパワーメモリーの単価以下に値崩れしたことに対する、太子の呪いを慰める為の神格化である、とも云われ、今なお研究者の間で熱い論議が繰り広げられている。
太子信仰が遺した遺物の中でも、新宿に安置されていたという こなみる救世観音 は、在りし日の聖ときめき太子の等身大である、現し身の彫像であると伝えられている。なおこの彫像、かつて一体50万円にて小売りもされていたというが、実際購入したものがいたのかどうか、今日となっては定かではない。
聖ときめき太子をも取り込み、時の権力を欲しいままにしていたセ我氏。そんなセ我氏に対し、次なる時代を創るべく、ある男たちが虎視眈々と準備を重ねていた。
その人物こそ、 中大兄広井皇子 と あかほりの鎌足 である。
これまで、蝦E夷を中心に「天外魔境」シリーズなどを手がけたプロデューサー・中大兄広井皇子と、数々の美少女アニメをはじめ、聖ときめき太子のドラマCDも手がけたこともある脚本家のあかほりの鎌足。聖ときめき太子に触発された彼等が手を組み目指したのは、恋愛ゲームや中央集恋体制を核としながらも、戦略シュミレーション、歌、踊り、ミュージカル、アニメ、など多岐にわたる要素を含んだ、新たな総合的娯楽の創造であった。
そして、セ我氏にとってその歴史的な一日が訪れる。
1996年に起こった 「サクラの大新」 が、それである。
中大兄広井皇子とあかほりの鎌足によって起こされた「サクラの大新」によって、 セ我入鹿 は 悩殺 されてしまうのである。
まさに風雲急を告げる。こうして恋愛ゲームは、また新たな激動の時代へと突入することになるのである。
~ 考古学者の研究室・まとめ ~
これで、「恋愛ゲームの歴史」の前半までを紐解いていったわけであります。
それでは最後に、諸君に晩年の聖ときめき太子の言葉を紹介しておきたいと思います。
「世間虚仮、唯遊戯是真」
現実の世界は、虚しく偽りに満ちている。ゲームの世界だけが、唯一の真実である……と。
三宝を尊び、主人公中心の中央集恋体制の成立にその生涯を捧げた、聖ときめき太子。おそらくは本人の望まぬところであったろう、太子の神格化。セ我氏や推古ナミ天皇に翻弄された晩年。その無念さ、やるせなさ、いかばかりであったかと偲ばれてなりません。
さて、それからまた幾年月もの時が流れ、恋愛ゲームに、また新たな流れが生じます。
それは、 ロリスト教 の伝来です。
来週は、 「ロリスト教伝来と江戸萌建制度」 について、お話ししたいと思います。
ああ、そろそろ時間です。では今週は、この辺で。
また来週、この時間、この研究室で、皆さんとお会いしたいと思います。さようなら。