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僕がイスラエルでベンチャーキャピタルをやってユダヤ人から学んだことnote

このnoteでは、私が日本の事業会社のコーポレートベンチャーキャピタル(以下、CVC)に約16年間勤め、そのうち2014年5月から2020年8月までの6年3ヶ月をスタートアップ大国のイスラエルに駐在し、その際に現地にベンチャーキャピタルを立ち上げた経験を振り返り、イスラエルとは?ベンチャーキャピタルとは?起業とは?などについて紹介していきます。


大手町サラリーマンを辞め40代で起業

約20年の会社勤めを辞め、40代にして独立起業することに。起業を後押ししたのは海外で付き合いのあった人たちや会社の先人たちのチャレンジ精神でした。

①イスラエルのエリートからチャレンジ精神を学ぶ

人口百万人あたりのスタートアップ社数が世界一のイスラエルでは、紛争と常に背中合わせです。いつ自分の国がなくなるかもしれないという状況から、「自分の人生、やれることは今行うのが当然」と友人がいつも口にしていました。

”Top 1%のイスラエルのエリート層”と言われる人達ですら、他にも安定的な人生、就職の選択肢があるにもかかわらず、自分のビジネスを起業していくチャレンジ精神を横で見ていく間に、私も彼ら彼女らと同様に挑戦してみようと考えるようになりました。

②サラリーマン時代の先人たちが独立、成功

サラリーマン時代の先人たちは会社を辞めて独立しても成功していました。そのような方々が直接的にも間接的にも背中で語っている姿を見ると自分もチャレンジしたいと考えるようになりました。

イスラエルから戻り、気付いたこと

①海外で一般的なことは日本では一般的ではない

イスラエルから帰国後気付いたのは、スタートアップの業界に日本特有のルールが存在することです。例えば、海外では投資家が企業価値を決めるのが一般的ですが、日本では投資家がスタートアップ側に想定企業価値を依頼することが散見されます。また、スタートアップ投資に関する業界のスタンダードや常識がスタートアップ側に浸透しておらず、一部のスタートアップ側では偏った情報が常識と誤認されていることもありました。

結果として、投資条件交渉などのビジネス判断の局面では、投資家優位となり海外以上に情報の非対称性が著しく発生している状態でした(ただし、最近では独立系のVCを中心にこの辺りが改善されてきていると感じます)。逆を言うと、日本のスタートアップを取り巻く環境の効率化、グローバルスタンダードの成長支援を行える付加価値に気づいたことが創業の大きな理由です。

②ニッチなニーズほど、気軽に相談できる先が少ない

私がサラリーマンだった時から、イスラエルや海外でのスタートアップ投資や事業提携の方法、Venture Capital(以下、VC)運営、資金調達先の選び方、投資条件の交渉方法、CVCの設立是非、海外での起業など、壁打ち相手と言われる様々な相談に乗ってニッチな状況ながら一つ一つ整理していく相談が多くありました。

これは、ジャンルがニッチであることもさることながら、必要となる情報や経験が多岐に亘るため、専門の弁護士事務所や会計士事務所などに相談する必要があるのですが、専門家への気軽な相談は何かでお付き合いが無い限り難しいのが現実です。

自身が中立の立場からお手伝いすることで、利益を追求することだけにとらわれずに、多くの案件を支援でき、業界に貢献できると考えています。

過去に経験してきたこと

主な活動実績は、以下の通りです。

・約16年、日本の事業会社のCVCにて、インベストメントディレクターとして主にイスラエルのスタートアップ投資などを担当。

・イスラエルに90百万米ドル(約130億円)のベンチャーキャピタルファンドを設立しジェネラル・パートナーとして活動。

・2020年8月までの6年3ヶ月間、イスラエルに駐在。イスラエルとは2008年頃から関わり始め、有り難いことに、日本に戻った後も未だに連絡を取ってくれるイスラエルのハイテクスタートアップ、ベンチャーキャピタル業界の友人が多く存在。

・プライベート・エクイティファンドやカンパニークリエーションプラットフォームへの出資支援、本邦事業会社によるイスラエル企業のM&A支援、ケイマン諸島籍のベンチャーキャピタルファンドの立ち上げや運営、取締役会に参加していた投資先のニューヨーク証券取引所をはじめとする国内外への上場などを経験。

・投資先のスタートアップへ出向し、経営企画の責任者も経験。

・日本や韓国のスタートアップ投資も担当。上場しExitした先にはリチウムイオンセパレータの会社や、半導体企業などがある。

まとめ

投資家は年間数百件もの案件を見ていることから、成功や失敗の条件に精通しているのに対し、起業家は数十から百人の投資家としか接触しないため、知識に大きな差があり、あまりに不利な状況です。 

東京など大都市には気軽に相談する先がありますが、その他の地域では気軽に相談できる先が少ないとの声を聞きます。

私の経験をご紹介することで、何かの助けになればと思いますので、ぜひ、今後の投稿を楽しみにしていてください。


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