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23歳でVC業界に転身した女性投資家からのアドバイス

新年最初のご紹介は、欧州・イスラエル以外ですが、Venture Capitalに若くして転職した米国の女性投資家の記事にしたいと思います。

私がVC業界に転職したのは20年弱前になりますので、今ほど若い世代が新卒でVCに入るというのがそれほど当たり前の時代ではありませんでした。
そして、私も転職でたまたま巡り合い、その出会いが幸運であっただけです。

また、別の観点として、日本は新卒一律入社ですので、ほぼ多くの新卒の方に、知名度の高い企業への入社機会が訪れます。しかし、海外はそうはなっておらず、というのはよく聞く話かと思いますが、それがみなさんが歩んでこられたOB・OG訪問を含む就職活動と比べると、本当に人的ネットワーク、つまり伝手が重要になる世界です。この方も、自身のネットワーク(だけではないと思いますが。例えば、常に業界の情報に精通するなど努力をしていたと思います。)を使い、VC業界に足を踏み入れています。

また、自身が起業を少なくとも経験し、VC業界が何たるやというのを反対側からは見てきているようです。そういう、過去完了形で話せる実績や経験があるからこそ、VC業界への転職という契機が訪れたのでは、と考えます。それを思うと、私は本当にラッキーでしかなかったです。

就職活動、転職活動、VCやスタートアップ業界で働いてみたいと思っている方に、日本ではない国ではどのような方がどのような経緯でその職に就いているかを知ることが、何かの参考になれば幸いです。

本年も宜しくお願いいたします。


23歳でVCでの初仕事を手にしたKatie Vasquez(ケイティ・ヴァスケス)は業界でキャリアを築きたい人に対して、ネットワークを活用して機会を逃さないようにとアドバイスする。また、業界の動向を常に把握することも重要だと話す。

この記事は、カリフォルニア州サンタモニカを拠点とするCalibrate Ventures(キャリブレート・ベンチャーズ)の投資家である26歳のヴァスケスとの会話を基にしており、VCでのキャリアについて内容を簡潔にまとめたものである。

私はCalibrate Venturesというアーリーステージのディープテックに特化したVC企業で投資家をしている。

ここに至るまでの道のりは、少し変わったものだ。私の専攻は天体物理学だが、起業家精神を養ったり、コンサルティングの仕事をしたりした経験もある。そして最終的に、23歳で初めてVCでの仕事を得た。

大学卒業後、最初にVCでのポジションを得るまでに約1年半かかったが、それでも業界の中では比較的若いほうだ。VC業界に入りたいと思う人には、ネットワークを活用し、業界の動向に常に注意を払うようアドバイスしたい。

学問の道は合わないと気づき、起業

10代の頃は天体物理学に夢中だった。2016年にブラウン大学に入学し、博士号を取得して科学者になることを目指していた。

しかし、大学1年の夏に理論研究グループで物理の数式をプログラミングする作業をしたおかげで、自分には学問の道は向いていないと気づいた。人と直接関わり、目に見える成果を出せる仕事に惹かれるタイプだった。

大学最終学年には起業に興味を持った。友人といつか会社を始めたいと話していて、さらにもう一人の友人を加え、実際に最終学年に会社を立ち上げた。

私たちはモバイルアプリを開発し、アクセラレーターに参加し、助成金を集めた。秋には数社のVCと話し合い、Y Combinator(Yコンビネーター)にピッチも行った。事業としては大きな成功こそ収めなかったが、学びの良い機会となった。

リクルーターの助けでVCへ

2020年9月、私は大学卒業後にEY-Parthenon(EY-パーセノン)でアソシエイトコンサルタントとして働き始めた。プライベートエクイティ企業がソフトウェアやテック企業を買収する際の支援をしていた。

この経験は、技術的なデューデリジェンスやテックアーキテクチャ、戦略について考える基盤となったが、投資やVCの分野に進むことが何よりエキサイティングだと感じた。

そんなときに、リクルーターから声をかけられた。最初は驚いたが、新しい挑戦に胸を躍らせた。私の物理学のバックグラウンド、EY-Parthenon での金融経験、さらにGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)での2度の夏のインターンシップが、技術と金融の両面でユニークなスキルセットを形成し、キャリアの推進力となった。

リクルーターの助けを借りて、2021年12月にMTech Capital(エムテック・キャピタル)という会社で最初のVCポジションを得た。2年間勤務したが、フィンテック、インシュアテック、ヘルステックに特化した同社では、自分の物理学や航空宇宙への情熱を十分に発揮できないと感じた。そこで、ロサンゼルス周辺のネットワークに相談し、最終的に現在の役割を紹介された。スタートは今年の1月からだった。

Calibrate Venturesでのディープテックに焦点を当てた投資家としての活動である。いくつかのピッチを受け、投資委員会のメンバーと進捗を確認し、また業界のリーダーとしての自身の役割を発展させようと努力する。そんな毎日の繰り返しだ。

キャリアの初期段階であるため、ビジネスのあらゆる側面について学ぶ姿勢を持ち続けており、チームや創業者、メンターに多くの質問をし、話を聞くようにしている。まるでスポンジのように学びを吸収している感覚だ。

私は業界ではまだ若手の部類だが、この3年間で少なくとも、もはや最年少ではなくなったと感じている。

ロサンゼルスのベンチャーコミュニティに活気があり、協力的であることをとても幸運に思っている。多くの若手投資家が存在し、さらに女性の数も増えている。最近では、LA Tech Weekでパネルのモデレーターを務め、またディープテックに関するブランチシリーズも立ち上げた。

さらに、コミュニティに積極的に参加し、投資分野で活躍する女性のためのSynergist Network(シナジスト・ネットワーク)のような、異なる専門的なグループへの参加も、コミュニティを形成し、サポートを得る上で役立っている。

業界では若手だが、これまで一度も軽視されたと感じたことはない。周囲の人々は常に非常に敬意を持って接してくれている。

VC業界でのキャリアを目指す人へ

VC業界でのキャリアを目指す人にとって、最善の方法は業界の動向に可能な限り精通することだと思っている。それには、ポッドキャスト、ニュースレター、本、ソーシャルメディアなどを活用するのが良い。

私自身、現在でも多くの時間を使って、科学者をフォローしたり、ソーシャルメディアで急速に発展する技術を追跡したりしている。

現在のポジションに就く以前も、自分が興味を持つ業界について学ぶ時間を作っていた。例えば、初めてのVCの仕事ではフィンテックを主に担当していたが、それでもディープテックの知識を広げるため、ロサンゼルスで開催されたSpace Investor Summit(スペース・インベスター・サミット)に参加し、宇宙観測データを活用する衛星保険会社などと接点を持ったこともあった。

また、ネットワークの活用も大切だ。たとえ数年前に学校で知り合っただけの人でも、誰かを紹介してもらえる可能性はある。そうした人々にキャリアについて質問をし、話を聞いてみると良い。

この業界で働きたいと考えているなら、自分がどんな機会を求めているのかを周囲の人に知らせておくべきだ。そうすれば、その人たちが該当の求人を見つけた際に教えてくれるかもしれない。また、ネットワークを通じてメンターを見つけることも、自分に適したキャリアパスやポジションを見極める助けとなるだろう。

私はVCでのキャリアを一生続けるつもりだ。この数年間、特にこの1年は、私の人生で最も充実し、エキサイティングな時間となっている。

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