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かつて夫が推しだった私へ~無職の夫と私の記録~ #9
夫からA君へと「推し」を乗り換えた私は、A君の配信を聴けば聴くほどA君にのめり込んでいった。
ネイルをA君の『推しカラー』に変えたことや、A君の歌を無意識に口ずさんでいる私を見て、夫は不審に思ったのであろう。
機嫌の良い妻をニコニコ見守っていた夫の表情は、次第に暗くなっていった。
「いかん、また浮気と勘違いされる!!!」
私は大切な推し活を邪魔されまいと、作戦を練った。
それは小学3年生
かつて夫が推しだった私へ~無職の夫と私の記録~ #8
「あやはるさん、いいね!あなたがうちの店頭に立っていると、お店の雰囲気が良くなる!」
仕事にて、とある店舗の入口のテナントを借りたときのことである。
お店のオーナーに突然、褒められた。
実は以前も同テナントには入店したことがあったので、このオーナーと話す機会はたびたびあった。
しかしオーナーから、しっかり褒めてもらったのは、この日が初めてだった。
なぜ急に褒められたのか、理由は明確だっ
かつて夫が推しだった私へ~無職の夫と私の記録~ #7
意図せず夫の推し活を卒業してしまった私は、美しい声の持ち主「A君」と出会ったことで、推しをあっさり乗り換えた。
新しい推し『A君』は、とある歌い手グループの中心メンバーだった。
A君は主にツイキャスやYouTubeなどを活動の舞台としている。
つまりテレビ世代である私の友人に、A君を知っている者はいなかった。
そしてA君のファン層は10代~20代。
…40歳が目前に迫っている私にとって「
かつて夫が推しだった私へ~無職の夫と私の記録~ #6
「不安にさせてごめんね、そんな浮気とかするわけないよ!あなた以上の男の人なんていない!」
かつて夫を推していた私は、夫が冗談で浮気を疑ったときに、全力でこう答えていた。
そんな夫も、今や無職歴4年を極め、20キロも増量したリビングの主。
もちろん、私の口から冒頭の少女漫画なセリフは、1ミリも飛び出すことはなかった。
代わりに「私さ、仕事しかしてないのに、なんで浮気とか疑えるんかな?」と半笑
かつて夫が推しだった私へ~無職の夫と私の記録~ #5
過去「推しを卒業した」ことがあるか?
―私は「NO」だった。
「推しを卒業」とは、例を挙げるなら「福山雅治を推していたけど彼の結婚を機に、ファンをやめた…」といった経験である。
そもそも私は過去に、芸能人やアイドルやアニメキャラや声優といった「推し」がいたことがない。
ずっと夫だけ。
夫だけを推していた。
なので推し活が終わるとどうなるのか、全く未知の世界だった。
さらに、ここでの問題
かつて夫が推しだった私へ~無職の夫と私の記録~ #4
「あれ?夫に対する『尊い感情』って、どこにいった?」
夫をがむしゃらに推してきた私は、ある日突然パニックになる。
それはある朝、夫から
「トイレの四隅は毎日キレイに拭き掃除したほうが運気上がるよ」
と一言アドバイスされたときだ。
いや、"アドバイス”とはその時1ミリも思わなかったので、下記のように綴り直す。
無職歴4年の夫は、会社へ行く準備に追われている私に、こう言い放った。
「トイレの四