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句集「広島」
「広島」という句集をご存知ですか?
原爆が投下された十年後の1955年に、公募作など1521句をまとめて刊行されました。2022年に500冊が広島の民家で発見され、ニュースになり、
今年また、その句集がNHKテレビで紹介され、話題になっています。
8/17(土)まで、NHK+で配信されています。
現在その本自体の入手は困難ですが、「ミルトス館」という俳句専門のデジタル図書&配信サービスで、無料で公開されています。
句集には、実際に原爆の被害にあった人たちの生々しい証言と俳句、そして広島に思いを馳せた有名俳人の寄稿句が掲載されています。なお、有名俳人の句も、公募句の中に、一般の人と並んで掲載されていました。
流星や死ねぬうめきが拡がる
日に灼けし骨片を目つむりて拾ふ/広島 伊賀崎靜子
炎天下筏となりて屍往く/広島 伊藤ひろ江
乳足らぬ子が口開けて寝る原爆忌/名古屋 井上南窓
榾の火に原爆の傷見せ合ひて/広島 岡村草雨
ごくごくと姉が水飲む原爆忌/広島 橘 冬青
原爆のまち停電の林檎つかむ/神戸 金子兜太
金子兜太は、昭和28年~33年まで日銀神戸支店に勤務していた
広島に月も星もなし地の硬さ/大阪 西東三鬼 旧作(昭和二十年)
聖夜とやヒロシマ環礁実験図/東京 中村草田男
目おほはず見ねばならぬもの原爆図/石川 細見綾子
当然のことながら、寄稿句より公募句の方に胸に響く句が、多くありました。
正直言って、読むのが辛くなるような句や証言もあるのですが、やはり細見綾子さんがおっしゃっているように、「目おほはず見ねばならぬもの」なんですよね。