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鴉の戯言:その5

見ないふりをした
どうせ何も見えないのだ
だから見なかった
いや見たくなかったのかも知れない
それが彼女の望みだと考えた
都合のいい話だ
目を瞑った
やみのなか
きみはおんなかもしれなかった
おれはおとこなのかもしれなかった
夜だった
月が出ていた
月は何かを見たかも知れない
何となくそう思った

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