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うたういぬ流、中学数学における教科書の読み方

おはようございます。
中学校教員、うたういぬです。

昨日は頭痛に悩まされましたが、しっかり休養したため今日は元気です。

中学校数学科の私です。
今年度は中2と中3の担当です。(それぞれ2クラス)

2学期になり、私の指導がかなり浸透してきましたので、言語化します。
今回は数学の教科書の読み方です。

なお、私の自治体が採用しているのは、学校図書です。

来年の教科書はどうなるのか…


課題のつかみ方

教科書には「鍵穴」のマークがあります。
これが、課題であり、目標となります。

学習指導要領の内容ときちんと合っています。
生徒には、鍵穴マークを探すように指導します。

ワークシートにこの内容を書き写させます。
文末は変えると良いです。
〜しましょう。→ 〜する。  など


教科書の例題

目標を達成するための素材、それが例題です。
問題が設定され、解き方が書かれています。
同時に、数学的な見方や考え方についても言及されています。

生徒のイラストやキャラクターから吹き出しが出ていて、ヒントを示しています。

つまり、吹き出しのコメントを参考にしながら、例題の解き方を読み取ることで、目標の達成に近づきます。


練習問題

例題だけで目標を達成したというのは乱暴な話。
そのため、練習問題が設定されています。

ほとんどの練習問題は大きな問いに対して、複数の問題が示されています。(主に計算問題)
これらを解くことで、例題の解き方を実践できるかどうかを確かめることができます。
また、例題によっては数の設定が工夫されていて、約分できたりできなかったり、答えが整数だったり小数・分数だったりと、応用力が問われます。

しかし、例題を全て解かないと実力が高まらないわけではないので、生徒によっては半分程度の達成状況でも良いことを伝えます。
複数の練習問題があった際は、それぞれに設定されている価値があることを伝え、どのような点に気をつけて解くべきかを考えるように指導しています。


単元末の練習問題

各章の学習内容を定着させるための練習問題が多く設定されています。
学校図書の教科書では、基礎・応用ともに問題量や質が高いため、使いやすいです。

これらの問題は答えが巻末にあるため、生徒が自分で丸付けをすることができます。補充的な活用ができます。

小中学校では、補充的な意味合いでドリルを購入することが多いです。おそらくほとんどの学校で、全児童・生徒に購入させているのではないでしょうか。しかし、教科書の練習問題はそれなりな量があるため、本来ならばドリルを購入しなくても良いはず…
ま、購入しないという選択をするほど勇気はないのですが…


生徒の変容

このように、教科書の読み方・活用の仕方を生徒に指導し続けることで、授業での生徒の姿が変化してきました。

とにかく、教科書を読むようになりました。
私の解説を待たずとも、教科書を自分で読んで、練習問題に取り組む姿が増えました。多くの生徒は教科書の通りに問題を解くことができます。難易度が上がってきたら、友達と相談したり、支援の先生に声を掛けたりしながら定着させようとしています。

授業の進度を気にせず、どんどん学習をすることができます。
あぁ、教科書ってよくできているなと感じます。

先日、2年生のある生徒の授業の振り返りが素敵でした。
<1次関数の利用の授業にて>
「最初、教科書を読んで、自分で取り組みました。しかし、問題の答えが分からず少しイライラしてしまいました。(心マトリクスの月モードで学習しようとしたが、雷へ)その後、先生の解説を聞いたら、内容がわかってスッキリしました。」

この振り返りが、私の心にスッと入りました。
昔の私なら、「わかりやすい解説ができたな。」と振り返っていましたが、今は違います。

この生徒が、自分で教科書を活用して学びを進めることができた。解説を聞いてわかったのは、この生徒が自分で教科書を読んで学ぼうとしたからだ。
授業観をアップデートする必要があります。
なんでもかんでも教師が解説するような授業ではなく、まず生徒が取り組んでみるような授業を目指すべきである。そして、教師の役割とは何なのかを改めて考え直す必要がある。

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