短歌『みずいろ』

仔山羊は貴方を
滑稽と思うこともないから
思う存分に泣きなさい

雷鳴は湖をあざむき
人は口あけたまま
山巓へ直立(すぐた)つ

みずいろのZ軸から君は来る
異星語は喃語めいて聞こえて

岸の火を見遣る瞑目熱(あつ)かへば
あなたはすでに隠喩であった

蛹化とは星の忘却
喉渇きつつ笑うことなくて、
鱗粉

生き延びてしまった、
生き延びてしまった、
まだこんなにも言葉があって、

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