あれやらこれやら、難儀なこっちゃ
今日は久々に、朝日歌壇の投稿に心を動かされたのでご紹介します。
まずはこの歌。
ぽかぽかの秋の日父と旅をする時間がとろり優しい近江
富山市の松田わこさんの作品です。
わこさんは多分今、20代前半。お姉さんの梨子さん共々、小学生の頃からの朝日歌壇の常連さんで、半ばご近所感覚で蔭ながら応援している人です。
「ぽかぽか」、「とろり」、「近江」と、使われる言葉がみんな「優しい」響き。色々あるとしても、基本良好な父娘関係が窺われる、素敵な歌だなと思いました。
続いてこの一首。
これはそう大阪でいう「難儀」だね標準語にはないニュアンスで
東京都の上田結香さんの歌。こちらも常連さんで、瑞々しい感性が滲み出るような歌を、いつも作られます。
「難儀」。
標準語にはない豊かで微妙なニュアンスは、方言の命ですね。
右を見ても左を見ても「難儀」なことだらけの世の中ですが、できるだけ
おごらず、人と比べず、面白がって、平気に生きる
という、故 樹木希林さんの名言の境地で生きていきたいものです。