昨日の朝日歌壇 & 春の花々
普段から愛読している、朝日新聞の歌壇。毎週日曜日に掲載されています。歴史ある歌壇だけに応募が特に多いようで、掲載される作品のレベルが高いと感じます。
あまり心に響く作品がなかったなと思う週もあれば、印象に残る歌がいくつも見つかる週もありますが、昨日は後者でした。
ご紹介しましょう。
いつまでも生きていようねと夫(つま)の手が背中にありて葱刻むなり
オランダ在住のモーレンカンプふゆこさんの歌。
長く朝日歌壇への投稿を続けている常連のお一人で、1943年生まれと、私の母と同年代です。様々な波乱のある人生を歩んでこられたようですが、今は穏やかな幸せの内に日々を過ごされているのですね。素敵なご夫婦だなと、しみじみ思いながら読みました。
「国民の命を守る」ための武器それが命を危険に曝す
観音寺市の篠原俊則さんの歌。
「防衛費倍増」の性急な動きに抱いていた危惧や違和感が明快に表現されていて、「それだよ!」と深く頷きました。
幼子をコートの奥に仕舞い込み有袋類となる大寒の朝
江別市の長橋敦さん。
留守電の亡き母今日も柔らかに我を呼ぶなり「もしもし千春」
京都市の赤見坂千春さん。
この二首に、親子間に流れる深い情愛を改めて感じ、心がほっと温かくなりました。どちらも個人的な出来事を詠みながら普遍的な感覚が「ふわり」と伝わってくる表現が秀逸ですね。
一週間の始まりに、いい歌との出会いがあると、何だか嬉しくなります♪
今日は良く晴れたので、近所を散歩して、春の花々を楽しんできました。
少しお裾分けを。
画面トップの写真は梅です。