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球児達の夏と斎藤佑樹さんからのエール

ことのほか厳しい炎暑の中、夏の甲子園、真紅の大優勝旗がついに白河の関を超えることになりました。
仙台育英の選手・関係者の皆さま、おめでとうございます!
100年越しの夢、東北勢の初優勝です。

須江監督の優勝インタビューでの言葉「青春ってすごく密」「ぜひ全国の高校生に拍手してもらえたら」がとても心に響きました。

一方準優勝の下関国際も、優勝候補の強豪、大阪桐蔭や近江を破った、生き生きとした勢い、エネルギーが眩しかったですね。

そんな今年の闘いが終わるにあたって、忘れられない一つのエピソードがあります。
日本郵便の「夏のお手紙キャンペーン」広告の一環として、ハンカチ王子、こと斎藤佑樹さん(早実のエースとして06年夏の甲子園を制した元日本ハムの投手)が高校球児に宛てて書いた直筆の手紙です。
真摯に丁寧に綴られた、内容も筆跡も素晴らしい手紙で、大きな反響を呼びました。
以下、引用します。

 この夏にすべてをかける君へ
 暑い日が続きますが、体調など崩していないでしょうか。
体格も投げかたも似ている、そして夢が叶うことを1ミリも疑っていない君と出会ったときから、僕はずっと、16年前の自分を重ねていました。その夢は、きっと叶うよ。とは、僕は言いません。勝負はわからないから。おなじ夢を持った人たちのぶつかりあいだから。ただ、今のまっすぐな君のまま、どうかこの夏のマウンドに立ち続けてください。これから先、グラウンドでもグラウンド以外でも、君をいろんな出来事が待ち受けています。僕のように、不安だらけの時期を過ごし、挫折を味わうこともあるかもしれません。それでもなんとか前を向くために必要なもの。それは、記憶だと思います。過去の栄光、だなんて言われることもあるけれど。最後まで闘い抜いた記憶は、未来を生きる大きな力になります。

 なんて、大舞台がすぐそこだってときに、先の話なんてされたくないか。この夏、いちばん速い球を投げるのは、君じゃない。いちばん熱い球を投げるのが、いちばん強い球を投げるのが、なんだかいちばん凄い球を投げるのが、君であってほしいと思っています。今から君の過ごす夏が、君を一生奮い立たせる夏になりますように。
よし、 頑張れ。
2022夏 斎藤佑樹

高校卒業後の斎藤佑樹さんの、大学、そしてプロで歩んだ厳しい道のりを想うと、涙を禁じ得ない手紙です。
現在目覚ましい活躍をしている佐々木朗希投手が、焦らず時間をかけて、大事に育てられているのも、斎藤佑樹さんら、故障その他に苦しんだ多くの先輩たちの経緯を踏まえてのことだと思われます。
手紙を読みながら、私の推し、フィギュアスケート・宇野昌磨選手の名言「スポーツは真剣勝負の先にある美しいもの」
を思い浮かべました。
美しいもの、好きです!(自分自身は重度の運動音痴だけど)

「なんとか前を向くために必要なもの。それは、(最後まで闘い抜いた)記憶」
この言葉は球児に限らず、アスリートに限らず、おそらく人間全般に通じること。
大切にしていきたい言葉が、この夏、また一つ増えました。


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