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母の難病 飼い犬との別れ

マイホームを売却する事となり、
実家で介護を手伝う事になった私達家族。
下の子は小学校に入学したばかりで、転校するのを嫌がった。そりゃそうだろう。

事情を話して説得したが、いつも家族に振りまわされ(過去記事参照)本当に下の子には今でも申し訳ないと、頭が上がらない。

結局下の子は2年生から、実家の近くの私の母校へ転校する事になった。

当然げんき(犬)も私達と一緒に実家で暮らす予定だった。

だけど父は、どうしても犬は嫌だと言い張って聞かなかった。

げんきを手放すなんて考えてもいなかったので、
家族なんだから一緒に来るのは当たり前でしょ。
と言ったが、絶対に首を縦に振らなかった。
弟にもお願いし、説得してもらったが、
それでも父はげんきを連れて来る事を許さなかった。

仕方なく、げんきを里親に預ける事にしたのだ。

ジモティーというサイトで募集し、何度か面接をして、幸いにも田舎に住む年配の親子にお願いする事が出来た。

預ける、と言っても実質、飼い主は代わってしまったという事だ。

3年目まで毎年、私達3人で会いに行かせてもらったりしていたが、帰り際に離れ難い気持ちが何とも言えなくなり、
あちらも、げんきに結構お金が掛かる事があったそうで、私も事情を聞けなかった。
写真だけでもとお願いしていたが、お互い遠慮するようになり、段々それも無くなってしまった。

預けて5年目の年には、とうとう連絡がつかなくなってしまった。

げんきはとても可愛がられていたので、大丈夫だろうとは思う。

無責任に預ける事になったのは私の方なので、
そこまで追及するのもお門違いなはずだ。

だから余計にあのマイホームに、思い出が色濃く残ってしまっているのかもしれない。
げんきと子供達と一緒に走り回った事を昨日のように思い出す。

だからなお当然、
私は父の事を許す事が出来なかったのだ。

【追記】
あれから里親さんから正月に連絡があり、
ぷくぷくと太ってしまったげんきの写真が送られてきました。
コタツの横で、すっかり毛が短くなったげんきは、とても幸せそうで、里親さんに感謝です。


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