A-4:大雑把なゴール(目標)を決めよう
NISAやiDeco(個人型確定拠出年金)、企業型DC(企業型確定拠出年金)などが国により整備され、利用されている方は多いと思います。
確定拠出年金では、課税所得から拠出額(投資額)が控除されるので節税にもつながります。もちろん運用益も非課税となるので、非常に優遇された制度と言えます。
資産形成・資産運用のとっかかりとして、このような制度を利用し始める事は望ましい事です。
その際、「資産形成のゴール(目標)を明確」にし運用を始めた方は良いですが、国が提示した「NISA枠や拠出可能額」で運用額を決める方は、注意が必要です。
自分にゴール(目標)を問いかける
資産形成・資産運用の目的は、「将来豊かな人生を送るための1手段として、金融資産(お金)を確保」する事です。
そこで質問です。
『いつまでに、どの程度の金額が、どのような金融資産で必要となるのか?』
が答えられるかが重要です。
人それぞれ、将来必要となるお金は違います。働く期間も違います。
ですから、本来 資産形成・資産運用を進めるアプローチとして、
①ゴール(目標)を決める
②必要な金融資産額を決める
③資産運用における「国の制度(NISAや確定拠出年金)」の活用
となるわけです。
1例として、以下のようなイメージです。
・65歳まで働く
・定年後(66歳~)は、生活費として20万を確保する
※年金:15万+金融所得(配当金や分配金):5万
※貯金:500万 ※予備費(旅行や病気など)
・金融資産を1900万を保持する →配当金で年間60万の所得
※配当率/分配率:4%(税引き後:約3.2%)
ゴール(目標)の決め方
まず、将来必要となる生活費を設定する必要があります。そのためには、現状どの程度の出費が発生しているのか把握します。
資産形成・資産運用をする上で、「生活費を把握する事」はスタートラインに立つ準備作業となります。
現状の生活費(月額)【a】が整理できたら、
【a-1】:将来不要となる生活費を削除・低減
→子供の教育費、食費など
【a-2】:将来必要となる生活費を追加
→老後の趣味、医療費など
を調整します。
これが将来必要と見込まれる生活費(月額)【A】となります。
続いて、必要な金融資産額【C】を求めます。
まずは、老後になって得られる収入(月額)【B】を整理します。
多くの人は年金と思いますが、中には不動産による家賃収入や副業をやっている方もいます。
上記、将来必要と見込まれる生活費(月額)【A】から老後になって得られる収入(月額)【B】を差し引くと、不足する金額(月額)【c】が得られます。
ここでのポイントは、この不足する金額(月額)を何で賄うかです。
①銀行預金から取り崩す
②債券や株式など、利子や配当金で賄う
③上記①②のハイブリッド
例えば、不足する金額(月額)【c】が5万とした場合
<①の場合>
仮に定年退職後20年間の生活を送る場合、5万×12か月×20年=1200万円の貯蓄が必要となります。
<②の場合>
年率4%(税引き後:約3.2%)の運用を想定した場合、5万×12か月×3.2=1920万の金融資産が必要となります。
<③の場合>
上記の貯蓄と金融資産の比率で検討します。
このような流れで、将来必要となる「貯蓄額や金融資産額のゴール(目標)【C】」が整理する事ができます。
<おわりに>
かなりざっくりと説明しましたが、このゴール(目標)が分かっていなと、
・現在運用している積立金額で問題ないのか
・運用リターンの期待値として正しい金融資産に投資できているのか
などが判断できません。
このゴール(目標)を押さえるのは、とても重要な事ですね。
ただ、このゴール(目標)の精度は高くなくて良いと思います。人によっては、インフレ率や病気などの不確定な要素を含めシュミレートする事もあります。これは精度を上げるうえで重要な事ですが、時間も多く取られます。それ以上に「1回ゴール(目標)を決めてたらそれでおしまい」ではなく、大雑把で良いので「毎年1回くらいの頻度で定期的に見直」する方が結果的に精度が上がると思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?