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本紹介『津軽三味線ひとり旅』


書名:津軽三味線ひとり旅
(1975年新書か館刊『自伝 津軽三味線ひとり旅』を改題)
著者:高橋竹山
出版社:中央公論新社

津軽三味線の名人・高橋竹山さん(本名は高橋定蔵)の八十余年(出版年から数えて)を振り返った本です。
津軽弁で書かれていますが、わかりやすい言葉を選んで編集してくれている気がします。

私が竹山さんを知ったきっかけは漫画・アニメの『ましろのおと』。アニメを見て「津軽三味線の名人は誰?」と調べてたどり着きました。

竹山さんは幼少期にハシカをこじらせ、視力が半分になりました。
竹山さんが生まれた明治時代は、現代のように医療も福祉も発達していませんでしたので、盲腸やハシカ・風邪で命を落とす方がたくさんいたそうです。また、目が見えない人の中には川に落ちたり木から落ちたりして命を落とす人々も。(医療や福祉の成り立ちについても考えさせられます。)
そういった人々は三味線や尺八、念仏などをお金を稼ぐ手段としていました。歩いて歩いてお客さんを見つけ、演奏する。稼ぎはお客さんの気持ち次第。
ふんぱつしてくれる人。少しのお金でたくさん演奏させる人。聴くだけ聴いて払わない人。いろんな人がいたそう。
まっとうな立場の人から差別され、理不尽な仕打ちを受けることもあれば、泥棒稼業の人に助けられたこともあったのだとか。
時代や境遇から、様々な思いと経験を重ねてきたであろう竹山さん。
そのお人柄か、彼の三味線は私には力強くもあたたかい、まろやかな音に聴こえます。
(初めて耳が痛くない三味線を聴いた!が、私の第一印象でした)
興味を持たれた方は、是非調べてみてください。

青森で津軽三味線の生演奏を聴く。
体験をする。
やりたいことの一つです。
叶えるぞーっ‼️









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