見出し画像

這い上がろうとすると自己満足で終わってしまう。

このアイキャッチ画像の本は、20代の頃に常に卓上に置いていた本である。
私の過去の記事を読んでいただくとお分かりいただけると思うが、私はコロナ禍を経て派遣社員から正社員となった。
派遣社員時代はとにかく自己実現のために必死であった。
そして正社員になった今だが、30代になって改めて読み返してみると、
大切なことだが忘れかけていた言葉が真っ先に飛び込んできた。

下から這い上がるのではなく、上から引っ張ってもらう。

室舘勲 「まずは上司を勝たせなさい」 講談社 2009年4月 8ページ

というもの。

ここで少しだけ仕事にまつわるエピソードにお付き合いいただきたい。
私は製造業で働いてる。主な仕事は製品の内製化。
端的に言えば、今まではよその会社に製造依頼をかけていた部品を自社で製造できるようにしていくというものだ。
これまでにいくつもの部品の内製化の話があったが、その中には私が担うものもあった。
プロブラムを駆使しなが自動化へと持っていくのだ。
そしてその内製化に成功したこと自体は大きな誇りであった。
次の大仕事はそれを同僚である職人に伝えていくこと。
それが終わると、同僚の職人Nと交代番で仕事をするようになった。
そんな中で上司から言われたのは
「お前の実績少ないけど、どうしたんだい?」
という言葉。
「え?」
と思ったが、自分でも製造した部品数の実績を確認すると、交代の職人Nとは大きな差をつけられてしまっていた。その時は素直に危機感が芽生えた。

確かに部品製造の自動化プログラムを組んだのは私だし、それ自体は「這い上がってきたのだ」と誇りを持っていいものだと思っている。
しかし、それでは自己満足に終わってしまい、気が付けば周りから抜かされるが落ちである。
ではどうすればいいか。そこで思い出したのが、

「這い上がろうとするな」

室舘勲 「まずは上司を勝たせなさい」 講談社 2009年4月 32ページ

という考え方であり、この本を読み返したきっかけだ。
そもそも誰しも自分だけでは限界がある以上、人に頼るしかない。
そしてどういう人になら手を貸す気になれるか。
「会社のために頑張る」
という姿勢を見せていくしかない。
そもそもなぜ企業は人を採用するかと言えば、
皆様ご存知の通り、利益を出していくには新たに相応しい人材が必要になるからである。

それから、私は加工に必要な刃物の種類の選別を変えるなど、改良にいそしんだ。
気が付けば職人Nは部署を異動し、再び一人で現場を持つようになっていた。
だがそんなことは関係ない。
これまで以上に貢献したければ、実績を上げていくという姿勢を示していくしかなかった。

それから2カ月弱が経った頃だったか。
自分で書いたプログラムに更なる改良を重ねたことで職人Nの時とは15個以上の差をつけていた。
最もライバル心は一方的で十分だと思っているが、
また一つ結果を出せたことで新たな自信にもつながった。

もちろん期待に応えたとしても、
例えば定刻通りにきた電車には取り分け何とも思わないように
すぐには嬉しい評価はもらえないかもしれない。
しかし、今は根気強くやっていく時なのかもしれない。
それで上司や会社からの待遇に納得できなければ辞めるでもなんでも考えればいいだけの事だ。

「引き上げてもらうために努力する姿勢」
今はこれを大切にしていきたく思う。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?