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外資企業、二人の女性、二つのキャリア

外資系企業の人事として働いていたときの話。
女性だらけのチーム。みんないい意味でドライで、大人で、素晴らしい労働環境だった。

一緒に働いていた二人の女性。
二人とも日系大手の人事から転職してきた人だったが、キャリア志向は180度違った。
一人は「日系企業で埋もれるよりも、得意な英語を活かしてガンガン働きたい」というバリキャリタイプ。バリ子さんとよぶことにする。

もう一人は、「日系企業で人事にいると、全部自分たちがリード取らなきゃいけないんですよ。外資なら本国の指示に従えばいいから、ラクです~」
仕事はのんびりやりたい、昇進にも興味がないタイプ。ゆる美さんとしよう。
年齢は二人とも30歳くらいだった。

きっと1~2年したら、バリ子さんが私たちのマネージャーになるんだろうねと、ゆる美さんと話していた。

そして2年後。
バリ子さんはお子さんが産まれ、リモートをフル活用しながら相変わらずバリバリ働いていたが、役職はなかった。

マネージャーになったのは、ゆる美さんだった。
そして、マネージャーになりたくなかったゆる美さんは、会社を辞めた。

バリ子さんは子どもが産まれた。
ゆる美さんは独身だった。
二人のキャリア志向は何も変わっていないのに、
双方にとってアンハッピーなことが起きた。

こんなことが、日本中、世界中で起きていると思うと、
なんともいえない、どんよりとした気持ちになる。


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