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地方公務員と国家公務員、両方経験した私が思うこと【その2】

【その1】では「こんなところがツラかった」という話ばかりしてしまったので、今回は前向きなことを書こうと思う。

「誰かの役に立っている」と感じられる地方公務員

「人の役に立つ仕事をしたい」という理由で公務員を志す人も少なくない。
それを実感できたのは地方公務員だった。
担当業務によるところはあるが、行政サービスを受ける側(市民)との距離が近い。
地域のお祭りや学校、商店街などと関わることも多い。
昼間に自分が関わっている仕事が、夜のニュース番組で取り上げられている、なんてことが何度もあった。
民間企業はあくまで営利を目的にしているから、自分のお客さんにならない人は無視することになる。
でも公務員は違う。その地域の人全員が相手だ。
私はこの地域の人のために働いているんだ!と感じることが何度もあった。

民間では絶対にできない特別な仕事

法律によって権限を付与され、民間企業では絶対にできない仕事をする機会がある。
特に権限が与えらえていると感じたのは国家公務員の方だ。
具体的には言えないのだが、本気で生活に困っている家に行くこともあるし、身内でも知り得ないようなありとあらゆる個人情報や、会社情報を見ることもある。

ビビりなので、「こんな特別な仕事を自分が担当するなんて」と怖くなるほどだった。

中にはそれを悪用して私的に個人情報を使ったり、横柄な態度を取ったりする大バカ者がいるのが本当に残念でならないのだが、
上司には初日、「相手が頭を下げてくるのは、君に頭を下げているのではないよ。君に与えられている権限に、日の丸に頭を下げているんだ。自分が偉いなんて、絶対に勘違いしちゃいけないよ。」と言われた。
在職中はこの言葉を胸に働いていた。
【その1】でも書いたが、バカはごく一部。大多数は真っ当に仕事している。

この人神様かな?というような人格者がいる

単に仕事が早いとか、やさしいとかではない。
効率度外視で人のためになることを考える、そのために努力を惜しまない神様みたいな人が、公務員の中にはいる。
民間企業では、そうありたいと思ってもそうはいられない。
「さろじーにさんは、どうするのが一番この人のためになると思いますか?」と真剣に問われたときには、その清らかな心に感動して泣きそうになった。
私は欲望にまみれた人間なので、「この人、転職したら絶対もっと稼げるだろうに」と思った。
その人自身は、そんな次元で物事を考えていないのだが。

いかがだっただろうか。

今回書いてみて、貴重な経験をたくさんさせてもらったと改めて気付いた。
意図せず、公務員を志す学生や社会人の方のヒントとなるような内容にもなったような気がする。
こんなのでよければ、面接のネタにどうぞ。

私はドロップアウトしてしまったが、今も公務員として働いている皆さんに心からの感謝を伝えたい。


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