娘から卒業の日まで 第11話
第11話 ぶりっこと言われようが構わない。アラフィフ母は、おねだりをする
『ママ― スマホ壊れちゃった(涙)』
私のスマホも昨年バッテリーがダメになってしまって、突然画面が見れなくなった。
電源を押しても、画面は黒いまま。
しかたなく、新しいスマホにアプリをひとつひとつ入れ直すという気の長い作業をしたのだが、どうも次女(りけ子)の携帯も怪しい状態。
『画面がさ、つく時もあるんだけど、つかなくなったりして・・・
あ、でも、大丈夫かな???』
(これはりけ子とお出かけのチャンス!!!)
と思い、電源が入るうちに買い替えておいた方がデーター移動ができてRAKUよ~と説得し、りけ子と久々のお出かけ。
昔は、お出掛けしようよ~!とたくさん誘ってくれた娘だが、中学に入ってからは、お友達とのお出掛けの方が多い。
まして、現在大学4年生。どんどん、一緒のお出掛けの機会が減っている(涙)
窓の外を見ると、晴れ渡る空。快晴だ。
そして、娘とのお出掛けが決まった私の気持ちも今日のお天気みたい。
よ~し!途中に、クリーニング屋があるから、冬物も出しちゃおう!そう思い服を持つと、娘が半分持ってくれた。
娘とふたり、コートを手に歩く道。
特別な事ではないけど、こんな日常をとても幸せに感じる。
スマホの手続きをしている時間も、ある程度時間が掛かるのに、この時間さえも娘と一緒だと嬉しい。
手続きが終わった頃、食事処はまだ混み合っていた。
『もう、家でご飯食べようよ~』
そう娘に言われたけど、折角の娘とのお出掛け。これを逃したら、りけ子とのお食事の機会はなかなかやってこない。
だから、アラフィフ母は娘におねだりをする!
「え~ だって、お昼一緒に外で食べたいんだもん!!!」
ぶりっこと言われようが、構わない。
ちょっと甘えて言う私に観念してスパゲティーを注文する娘。目の前で食べる姿を眺めながら、嬉しくてずっと顔が緩んでいる。
(来年は大学院なんだよな~)
(あと3年もすれば社会人なんだよな~)
どんどん遠くに行ってしまう。
行かないでほしいけど、自立してもらわないと困るし・・・
頭の中は、複雑な心境。
あ〜ダメダメ!
今は先々の事は考えず、この時間を楽しもう♡
そう思い、娘の顔を見ながら、珈琲を味わっていた。
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