風に乗って、高く飛ぶ、カイト
悠々として、自慢気に、風をお腹に貯える
風との鬩ぎ合いに負け、糸がプツンと切れ
何処までも飛んでいく
あぁあ、落ちていく先は電線
お父さんと子供は、消防署へ電話してる
危ないからの声、カイト、残念だったな
カイトは感電死するのか、お前が、疲れ果てても、風は容赦なく、お前を舞わせる
じゃ、行くね、立ち去ろうと、ベンチを離れて
歩きだす私に、見事に、電線から抜けてしまう
見事に、風を味方に付け、空へ空へ
自由が気持ちいいと云わんばかりに
糸が切れたカイトの自由に、憧れてしまうなんて、もっと、高く、飛べ、
見送る私に、カイトが自由の喜びを示す