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「あなたの未来がわかるって言ったら、どうする?」
今日やること、出掛ける場所、話すこと、その全てがもし、“最初から決まっていたこと”だったらどうしますか?
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』
(著:七月隆文 宝島社文庫 2014年)
この本は、私が人生で唯一、その日のうちに2回読んだ本である。
小説の舞台は京都。
「一目惚れをした。」
京都の美大に通う高寿が、電車で一目惚れをして交際する愛美との物語である。
彼女は気配り上手で、社交的で、通り過ぎる人が振り向くほどの容姿をもち、まさに“完璧”という言葉が似合う女の子だった。
しかし、高寿は彼女との日常の中でいくつかの不自然な点を見つける。
そして、ある日、高寿は彼女が忘れていった手帳を目にし、それをきっかけに、彼女の秘密を知ることになる。
壮絶で誰もが驚愕する彼女の秘密とは一体何なのか。
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キリンのクロッキー
私がおすすめする台詞は、
「あっ、教室に張り出されるやつだ」
これは、愛美が高寿に言った言葉である。
美大の課題であるクロッキーを書くために高寿は動物園でキリンを描いていた。
すると後ろから突然現れた愛美が高寿の絵を見てつぶやいたのである。
まだ、完成はおろか、描き途中であるにもかかわらず、その絵が後日張り出されることを、まるで彼女は知っているような口調だった。
なぜ、彼女は未来の出来事を知っているのか、考察が深まる場面である。
彼女の秘密を知ったとき、もし、あなたが高寿の立場ならどんな選択をするだろうか。
「あなたの未来がわかるって言ったら、どうする?」
もし、彼女と過ごす日常や、細かい出来事、会話、行動が、全て“最初から分かっていたこと”だったらどうするだろうか。
作中に描かれる細かな伏線を確認するために、
あなたももう一度読み返すことになるだろう。