子どもへの「否定」がもたらす自己肯定感の低下と人生への影響 【後半】
親から「否定」されることが多く、大好きな親に好かれるよう、大人しくし、極力迷惑をかけず、良い子であろうと、「自分らしさ」を封印し、言いたいことが言えないまま育った田口さん。
自己肯定感を上げようと努力したり、高めることでもなく、“自分らしさ”を取り戻した後半をどうぞ!
前半はこちらから
https://note.com/vast_eagle460/n/ndd5756338bcf
☆interview☆
<インタビュアー:垣渕美晴/研究員 ライター:糸永 達也>
■旦那さんとの仲直りは?
数週間、口をきいてもらえず、冷めきった夫婦関係になってしまいました。
自信もなく、意見を言うこともできない私、人とぶつかることを避けてきた私としては、かなり辛い期間でした。
どのように仲直りをすればよいのか、まったくわからなかったのですが、新次元思考テクノロジーの理解が助けてくれました。
怒っている相手の感情だけにフォーカスせず、相手が本当に何を伝えようとしてくれているのか。また、相手の表現の奥になにが潜んでいるのか。
結果、相手が怒っている事象に惑わされずに、何を訴えてくれていたのかを感じることができました。
それは、「認めてほしい」「頼ってほしい」でした。
お金の使い方が原因で揉めたのですが、表面上はそうであったとしても、主人から感じることは「怒り」ではなく、相談してもらえない、頼ってもらえない「寂しさ」でした。
認めてほしい・頼ってほしい、これらのことをダイレクトに伝えられないのは私も一緒。
表面上ではないところで、相手のことを理解できていくと、スッキリとしていきました。
すると主人も同時に、スッキリした表情で仕事から帰ってきました。
二週間ぶりの笑顔です。
いきなり機嫌が良くなるのも照れくさかったのか、少しはにかんでいて、前日までの雰囲気とは全く違っていてびっくりしました。
主人に感じた「認めてほしい」「頼ってほしい」という気持ちは、私がずっと両親、特に母に感じていたことでした。
ことあるごとに否定され、自分というアイデンティティをなくしていった私ですから、当然ですよね。
人の顔色を見ずに、自分の意見を言う、自分の考えをしっかりと持つ。
当たりまえのことですが、これがずっとできていなかったんです。
新次元思考テクノロジーでは、自分が抑圧したものが目の前に情報としてやってくる。
私はずっと、自分のことを認めてなかったし、信頼もしていなかった。
このことを知れたことで、とても楽になれましたし、相手に認めてもらう必要もなく、自分で自分のことを認めてあげられたら、これだけでいいんだ。と力が抜けたようにほぐれました。
■解放感と共にどのような変化がありましたか?
夫婦で言いたいことが言えるようになりました。
以前主人から「あなたはどうでもいい話はいくらでも話すのに、大事なことは本当に話さないね」と言われていたことも。
ずっと言いたいことを言えない人生を過ごしてきた私(主人も)としては、とても大きい変化でした。
主人のお仕事でとても嬉しく、大きな変化もありました。
私たちが「言いたいことを言える(表現)」ようになった途端、
「店舗のコンテストの賞、社長が選ぶMVP賞、その他もろもろの賞を総なめすることがあったんです。
300人の中から選ばれたんです。
自分のことを自分が認めることができると、目の前から認められる世界がやってきました。
当然私が見ていた両親にも変化がありました。
毎日のようにケンカをして、言い合い、分かり合えない両親でしたが、穏やかになっているんです。
両親も新次元思考テクノロジーを学んでいたこともあるんですが、両親を通しても「認めてほしい」が終わったことを理解できました。
父親も母親も、お互いに意見だったり主張だったり、想いみたいなものを「認めて!」と言い合っていたんだと思います。
お互いのことを大きな意味で認め合えているように見えるようになったとき、たとえ言い合いをしていたとしても、お互いの考えであったり気持ちを伝えあっているようにしか見えなくなったんです。
■家族再生
ケンカではなく、お互いに主張し、認め合うことで、新たな展開がスタートしました。
あれほど意見があわず、ケンカばかりしていた両親が一緒にカフェを経営しているんです。
30年間一緒に自営をしていた時以来です。
実は約15年前に自営をやめることになったきっかけが、母が「プツン」と切れてしまい、いきなり「やーめた」となって、一緒に仕事をすることを放棄してしまっていたんです。
今では、両親だけではなく私も一緒にカフェ(店名:マリッジカフェ)を運営しています。
以前のような「否定」は感じることがなくなり、今では適材適所で3人の特性を活かして言いたいことを言い合い、とても良いチームになりました。
カフェのコンセプトは
「みんなが受け取り、癒される空間作り」
コンセプト通り、集まってくる人がその通りになっていくんです。
自分たちの家族だけではなく、周りのご縁の方々にも波及効果があることも体感できます。
同じ志を持った仲間で
チーム『マリッジコミュニティ』を立ち上げました。
チームを創ると同時に、カフェが活動拠点にもなり、いろいろな人が集う場所にもなりました。
チームで活動していると、必要なところに縁が繋がり、やりたいことが具現化されていきます。
そして、なんと私たちがチームで活動しているマリッジコミュニティが
「愛知県家庭教育支援チーム」として登録されました。
登録されただけではなく、そこからどんどん広がり、小学校に読み聞かせのワークショップをしたり、お話をさせていただく機会をいただいたり。
先日は愛知県家庭教育支援チーム交流会が県庁別館にて開催され、13ものチームと交流の機会がありました。
夫婦(両親)と親子でひとつのチームとして活動していることにみなさん驚かれていました。
家族が再生した今となっては当たり前のことですが、思い返すと劇的な変わり方をしてると実感しました。
主人も関わってくれていて、直接「お願い」するよりも、「相談」のような形で話を聞いてもらうと、主人は「頼られてる」という感覚になり、とっても協力的にサポートしてくれます。
以前の夫婦・家族関係からすると考えられない展開です。
■同じような悩みを抱えてる方に
両親が不仲なことで、人生にいろいろな影響を受けている人は多いと思います。
ただ、ひとつ言えることは、
私一人でも実践し、幸せになることで、夫婦も家族も、地域にも影響があるということ。
かつてはまったく向き合うこと、交わることもできないバラバラだった家族が、
支援できる側に回ることができたんです。
両親の不仲で結婚観にも影響はあっただろうし、自己肯定感はどこへやら、でした。
ですが今では、この体験があったことに感謝しています。
一人の幸せがこんなにも大きな波を起こせるなんて。
波風立てないように生きてきた私ですが、今では、「幸せのビッグウェーブ」を起こし、それを喜びとして楽しめています。
※愛知県家庭教育支援チーム
家庭教育は人間形成の土台をなすものであり、全ての教育の出発点です。愛知県では、家庭教育の担い手である保護者を始め社会の大人全体で子供を育む、総合的な家庭教育支援体制の充実を図るため、「相談活動の充実」、「学習機会の提供」、「指導者の育成」、「地域活動の推進」、「啓発活動」の5点を基本的な柱として、事業を展開しています。
~あいちの家庭教育支援より引用~
☆編集後記☆
今回、田口知子さんのインタビューを通して出てくる「言いたいことが言えない」という体験をされている方、和を尊しとする日本人には特に多いのではないでしょうか。
両親の不仲から争いを極端に嫌い、波風を立てないよう穏便を良しとし、また否定されないよう、認めてもらえるよう、顔色を見ていい子に成ろうと努力し、いつしか感情に蓋をして、自分の気持ちがわからなくなってしまう。これまでの生き方では、ある日大爆発して反発するか、相手に合わせて我慢の人生しかできなかったでしょう。そのパターンは親子間だけでなくあらゆる人間関係の基になり、どこへ行っても何もをしてもその世界から逃れられず苦しみます。
しかし、新次元思考テクノロジーで仕組みを知り、親や家族や自分、誰も責めることなく、自分が自分のことを認めてあげていなかったからだったという根源を理解することで、それまでの世界から一気に解放され、新たな創造の世界、喜びが周りに連鎖する世界を大いに楽しんでいるお姿は、見ているだけでこちらの創造性が刺激されとても幸せな気持ちにさせていただきました。
理想の何かに成ろうとするのではなく、このままの自分を認めてあげることが、どれほど世界を変容させてしまうのか。
今回のインタビューを通して、田口さんから感じたのは、絶対に自分を愛するという『揺るぎない自分への信』。その自分への愛が自らの世界を変容させる力だと確信します。
これからも田口さんの幸せのビッグウェーブが巻き起こす創造を楽しみにしています♪
<インタビュアー:垣渕美晴研究員>