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ミュウミュウ2

小さな段ボールで丸くなる。

初めてのお披露目で爆睡する彼女。
目覚めたミュウミュウに少しずつ慣れ初めて行く。

時には祖父の肩に乗り
私の背中に乗り

我が家のアイドルになって行くが、
一年を待たずに交通事故に遭った。

私はその頃夜勤であった為、会社に無理言って病院に連れて行った。

半身麻痺か
死か

涙ながらに生きる方を獣医さんに頼んだ。
そして手を尽くして下さった。
日勤の仕事を終えて病院へと向かう。

ケージの中で彼女は生き続けた。
私を待っていてくれた。
私の見舞いに気付いて半身を引きずって甘える。

良かった。
彼女も生きる方を選んでくれて。

やがて退院して
抜糸もする。
その間夜勤明けでもケージの中で甘える。

命をかけて甘える強さ。
それで良い。
良く乗り越えてくれた。

月日は流れ、半身は麻痺することなく彼女は走り回って、お気に入りの場所までジャンプ。

立派な阿婆擦れになった。
神棚に向かいご挨拶。
座る私の膝に乗せて祈願する。

共に神と重なる。
尊い時間。
抱き上げて降りるまで撫でる。
子守唄を歌う様に。

いつしか私は実家を出る事になる。
涙の別れ。
実家に戻って来て再び甘える。

そんな日が続き

彼女は再び交通事故に遭った。

あれから15年分の幸せと無償の愛で愛でた時間は、この事故で終わった。

彼女の亡骸を見る。

甘える度に着た上着にくるまって。

病院に行く前に父の手を咬みながら
息を引き取った。

患部が痛かったのだろうが。

加害者には申し訳ない事をした。
後味悪かったであろう。

あの子は屋根裏に登り、戻って来れない奴だった。

家族は幼い頃に逝ってしまっていたから。

迷わず行けただろうか‥

心配するまでもなく
私は追悼のイラストを描いて
そのヴィジョンを再現した。

そのイラストは我が家の廊下で今でも飾っている。

薄暗くて申し訳ない。
我が家の廊下で撮った写真なのです。

おしまい。

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