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二月二十一日
待ち時間はたまらねえ
「キングダム」には考えさせられる台詞が沢山あります。 当今の名台詞などより吟味すべき言葉は、決め台詞よりむしろ何気ないシーンにこそ誠の価値があるのです。
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出典「キングダム」脇次
尾平はたまらずに吐く。脇次もこの待ち時間はたまらねえと言う。
《荒筋》
秦国の下僕・信は漂と自身の夢を叶えるため、王子の玉座奪還に手を貸す。逃避行で一緒になった河了貂を加え、嬴政達は山の王の助力を借りて連合を組み、玉座奪還作戦を行う。
王都咸陽に入城し、信たちは遊撃部隊として回廊と王宮にて王弟側の兵達と戦闘、激戦を制す。かくして嬴政と山の王達は王宮反乱を収めた。
王宮反乱を鎮めた信は下僕の身分から財と家をもらい正式に秦人となる。
そして、彼は村に掲げられた歩兵募集に応じ、初陣の戦場に向かう。戦場では共に玉座奪還戦を戦って壁もいる。
いよいよ初陣の戦場で会戦直前の待ち時間に、皆の緊張が極限まで高まる。
《解説》
❤️待つことが一番辛く厳しい
信玄公はその待ちの戦に強かった
行動するよりも待つことが厳しい。
動くと惰性が働くように、実は待つよりも動く方が楽になる。 待ちきれずに飛び出したりする発作的な行動がそれをよく顕わしています。
鳴くまで待とうホトトギスとは徳川家康を評していますが、動いても動いても機が巡り会わなかったせいとも言えます。
事実、天下人になるまでの家康の人生は過酷で、自重の人生そのものです。
天下人まで言わずとも私達でも人生で勝負の前には緊張が体を硬くするのは誰しも経験します。
ましてや戦争では凄まじい緊張になります。WWⅡの名将でもあったアイゼンハワー米大統領は凍ったリンゴを丸呑みするようだと言いました。
何を待つのか? 機を見定めるため。自分が意識や心からしたくても、周りから急かされても焦らずに備えてその時機を待つ。
正に動物が狩りをする姿勢、それこそが待ちの奥義です。目的目標のため、狩るために一切の雑念を払ってその時に解き放つのです。
では待つ方が動くよりも価値が高いのか?
❤️緊張の無い人生は挑戦を知らない人生
答は否、です。行動無き人生は活きていないとさえ言えます。 挑戦を知らない人生は成長無き人生とでも言えましょうか。
全生物ともいえ人間誰もが新しい出来事、試合、勝負に遭遇するのです。
逃げていては何も掴めない。敗北を知らなければ今の自分が分からない。
行動にもリスクがあれば待機にもリスクがある。両面とも大変ですが、どちらかを取るかは当人の決断です。
しかし、リスクを選ぶための基準は勝負の成果、勝負の目的目標達成です。