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一月二十七日
良い王だ、今の檄で多くの者が息を吹き返したことであろう
「キングダム」には考えさせられる台詞が沢山あります。 当今の名台詞などより吟味すべき言葉は、決め台詞よりむしろ何気ないシーンにこそ誠の価値があるのです。
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出典「キングダム」肆氏
良い王だ、今の檄で多くの者が息を吹き返したことであろう。良い王だ。
《荒筋》
秦国の下僕の少年に漂と信という秦国の下僕の少年がいる。少年達は下僕の身から這い上がろうと木剣で剣技を磨き、戦場で出世して何れは天下の大将軍になろうという夢を共有していた。
信は漂と自身の夢を叶えるため、王子の玉座奪還に手を貸す。逃避行で一緒になった河了貂と嬴政の三人で行動を共にする。
嬴政達は山の王の助力を借りて連合を組み、玉座奪還作戦を行う。
しかし、王都咸陽に入城したが、王弟の竭丞相に仕える参謀肆氏によって正体を見抜かれたため、嬴政達は王弟側の兵達と戦う。
王宮外で戦う嬴政、山の王達が苦戦している。疲労困憊の中、嬴政は檄を入れる。
それを王弟軍参謀の肆氏が心中で称える。
《解説》
❤️相手を貶める言葉は独裁者で無くても誰でも出来る
現在(2025年)でのウクライナの戦争は止みません。それぞれの陣営の指導者は毎月必ずといってもいいほど相手をけなす発言を発しています。
悪を悪というなら構わないかも知れません。それでも相手を貶める言葉とは聞いていて気持ちの良いものではありません。
そして、その言葉が果たして真実を突いているかも甚だ疑問です。
大事なのは言葉が真実を突いているかです。それが言葉を正しくせよと孔子が教えたことです。
❤️相手の長所を認められないのは相手を正しく把握できないこと
肆氏は王弟派閥ですが貴族です。貴族は貴族精神を有し優れた人物となるべく向上心が無ければなりません。
向上心が向く先は優れたものにあり、それが敵味方であれ称えるのは彼らの良識です。現在ではゆとりに含まれるでしょうか。
嬴政の王としての振るまいと檄に肆氏は心中で称えます。群臣と民を背負う王として相応しい姿と認識したからです。
それは敵味方、むしろ敵であればこそ持っていなければならない資質であり徳行です。
後に肆氏は嬴政の下で能臣として活躍します。
❤️相手を正しく把握できないとは、理解できていないことに帰因します。「孫子」にもあるように敵を知らねば味方は勝てないのです。
相手の長所を知って短所が探せる。人それぞれ個性も長所も短所も異なります。
人の長所短所を認めてこそ知ること、知の段階に至ります。