まずは、楽しい「一人勝ち」をする♪
世の中は不況で、物が売れないと言われていますが、ジャパネトたかたは、「一人勝ち」しています。例えば、「レイコップ」クリーナーを、ふとん専用に変身して大ヒット。メーカーの総販売台数は300万台を超えたと言います。
ロピアは2020年の関西進出を皮切りに、2022年東海進出、2023年福岡、仙台、2024年ヨーカ堂撤退跡の青森、北海道に相次ぎ出店、11月には浜松にも出店を遂げました。10年間で業績は7倍、スーパーでは「一人勝ち」です。
なぜ、ロピアの「一人勝ち」を同業者は見て見にふりをしているのでしょうか。なぜ、ロピアが支持されている理由を調べようとしないのでしょうか。
なぜ、今までのやり方を変えようとしないのでしょうか。みんなが変えたら自分も変えるでは手遅れになるのです。
「一人勝ち」している企業の特徴は、競合などは気にせず、面白がって、「自分が楽しくてしょうがない」という「状況」を作り上げています。
従業員は働くのは楽しい、取引先業者は、納入金額がどんどん増えて潤うから嬉しい。お客は、従業員が明るく親切で、しかも物は安くて品がいい、買物が楽しいとなれば買上点数、来店頻度も増え、お店はますます潤います。
従業員も取引先も、お客も楽しくてしょうがないのです。
さらに「一人勝ち」している企業の特徴は、儲かったお金を自分のところにため込むのではなく、どんどんまいていくやり方を採用しているのです。
ロピアがなぜ、居抜き物件を狙うのでしょうか。ロピアが出店することによって、施設全体の集客力が高まれば、大家は家賃収入が増えます。地方自治体は税収が増えます。撤退したスーパーの従業員もロピアに雇用されれば所得は大幅に増えます。
ロピアは個店仕入れでしかも通常のSMより3倍売りますから、今までロピアと取引がなかった地元取引業者も取引は継続されます。ロピアの既存取引業者ももちろん潤い続けます。地元の消費者にとっても買い物の選択肢が増えて大歓迎なはずです。
困っているのは何も手を打たないオールドメディアならぬオールドスーパー(既存勢力)だけなのです。
「どうしたら売上げの低下を食い止めれるか」「どうしたら赤字を減らせるか」を考えるのを一切やめる。そして「どうしたら喜んでもらえるか」それだけを考えるのです。
喜んでもらうには、自分も楽しまなければなりません。自分が楽しむにはどうしたらしいでしょうか。例えば原石を発見したら、磨いて、自分の言葉で伝える。伝われば売れる。売れると楽しい。たくさん売れるともっともっと楽しくなります。
今度はそのやり方を部下や同僚にも教えるのです。教えてもらった部下や同僚も楽しくなります。みんなが楽しそうにしていると、「ボクにも教えてほしい」「私にも教えてほしい」惜しみもなくどんどん教えてあげればいいのです。
ただし教える人を選ばなくてはなりません。人間には善人と悪人がいますが、成功のノウハウはエネルギーの一種です。エネルギーには善悪はないのです。悪人は成功のノウハウ(エネルギー)を悪用、独占する可能性があるからです。
『星の商人』
犬飼ターボ作『星の商人』は、商人として成功したい若者たちが、賢者を訪ねて金言を貰うシーンから始まります。
その言葉とは、「他の成功は己の成功」。これが本書のモチーフになります。「この世の富は限られたものではなく、無限である」という隠された意味もあります。皆有限だと思っているから、持っているものを出し惜しみしたり、成功のノウハウを隠すのです。
自分が持っているものをすべてさらけ出し、他人の成功、仲間の成功を応援すれば、もっともっと皆が幸せになれるのです。
以下、次のような内容が書かれています。①他の成功は己の成功、②成功者にふさわしい者を選べ、③その者の成功を知れ、④仕組みで分かち合う、⑤この世の富は限られたものでなく、無限である。
金持ち・持てる者は、成功のノウハウを隠す、独占するという偏見を私たちは持っています。されど、本書で登場する賢者は、それを否定するのです。「他の成功は己の成功」だというのです。
さらに、仕組みで分かち合い、富やシステムを独占してはいけないといいます。みんなで分かち合い、みんなが金持ちになる…。富は無限にあるからです。
すべてのものが有限であると洗脳され続けている私たち
地球に住める人間の数は有限だとか、石油、金など天然資源は有限だとか、すべてのものが有限であると洗脳され続けています。大学も定員があるのと偏差値があるから中高一貫の私立高校が人気なのです。東京大学なども定員と入学試験をなくし、誰でも学べるようにすれば、世の中ずっと良くなると思います。
そもそも起業家が成功するには、自身にこの世の“不”を解消してやると言った強烈な野心が必要です。次に必要なのは起業家に資金提供する投資家です。そして投資家が送り込むのがグレイヘア(成熟した大人)と呼ばれるシニア経営者です。
起業家とグレイヘアは二人三脚で役割を分担します。起業家のアイデアを世に送り出すために、グレイヘアは、企画立案、市場開拓、資金調達、人材調達すべてを請け負います。
投資家がいて、その目に叶った起業家がいて、投資家は自分が培ってきた人脈、ノウハウを惜しげもなく起業家に提供して、事業は軌道に乗るのです。
幾多の困難もあるでしょう。それを乗り越える決断力と胆力が起業家には求められます。
事業が成功した暁には、起業家は投資家となって同僚や部下、次の世代の若者に投資家として資金を提供するとともに人脈やノウハウなど持っている仕組みを共有し、成功を分かち合うのです。
ところが、大学やビジネススクールでは、建前を教えます。すべて自前でせよと教えるのです。そこには「星の商人」に登場する賢者は存在しません。成功ノウハウは秘匿事項、決して部外者に教えてはいけないというのです。
その理由は、富は有限でだから、成功のノウハウや利権を分かち合うことはとんでもないことで、秘密裏にして独占すべきだと考えるからです。
SM業界でも、マーケットは有限とされ、人口60万人、一世帯当たりの人員数2人、年間食料品支出額100万円とすると、マーケットサイズは3,000億円となります。
年商30億円のSMなら100店舗で打ち止め。トライアルやロピアが出店を表明するたびに関係者(既存勢力)は戦々恐々とします。
私のとっての「星の商人」
今から30年前、私にとって運命の出会いがありました。尊敬する社長さんとの出会いです。その社長さんは、標高1,400メートル、人口4,000人の山間地区で年商18億円売る超繁盛店を経営されていました。
どう計算しても人口4,000人ではせいぜい年商4~6億円がいいところです。計算できない12億円(=18億円ー6億円)以上の売上げはどこから来るのでしょうか。秘術でもあるのでしょうか。
その社長さんは、亡くなる直前まで私にその理由を教えてくれました。「この数字どう思う」と言って驚く数字を見せてもらったこともたびたびあります。「安く買ったものは隠せ」と言った方法論から「安く売るのは損ではない投資だ」など安売り哲学もあります。
概要を教えてくれた後は自分で考えろというパターンも多かったのですが、その社長さんから教わったことを実行していくうちにとんでもなく売れる店が続々誕生していったのです。私のとってその社長さんは、まさに「星の商人」だったのです。