全日本「販促師」協会

地方スーパー繁盛請負人。開店前に行列ができ、売場面積500坪・年商40億円のSMを全国各地に誕生させる。安売りと本物を昇華させ、買物をエンターティメントに変える。1坪に1つの仕掛け、売るものは満足というより、感動。また行きたくなるお店を目指す。「250円弁当」仕掛け人。

全日本「販促師」協会

地方スーパー繁盛請負人。開店前に行列ができ、売場面積500坪・年商40億円のSMを全国各地に誕生させる。安売りと本物を昇華させ、買物をエンターティメントに変える。1坪に1つの仕掛け、売るものは満足というより、感動。また行きたくなるお店を目指す。「250円弁当」仕掛け人。

最近の記事

「未常識」が地方スーパー再生の特効薬

「未常識」とは、「未ダ常識ニ在ラズ」と言う意味です。サリー・ガードナー 作/三辺律子 訳「空を飛んだ男の子のはなし」と言う児童書があります。あらすじは、さえない男の子・トーマスは風変わりな妖精から誕生日のプレゼントをもらいます。そのプレゼントとは「空を飛べるようになる」こと。ほんとうに空を自由に飛べるようになったトーマスは、学校の人気者になりますが、大人たちは見て見ぬふりです。トーマスがいくら空を飛んでも目に入らない大人たち。下ばかり見ながら歩いているから、誰かが空を飛んでい

    • 11月に作られた「食糧危機」がくる!?

      コメの品薄状態が深刻化する中、2024年産の新米がようやくスーパーなどに出回り始めました。米不足も徐々に解消されるマスコミや業界の見通しです。新米の店頭価格は昨年より1.5倍以上と大幅に高騰しています。 コメの品薄や価格高騰はなぜ起きているのか。2023年の猛暑による不作やインバウンド(訪日外国人)の増加でコメの消費が増えたためだと言われていますが、両方とも主な原因ではありません。そもそも2023年産米の場合、コメの出来具合を示す「作況指数」は101で平年並みでした。「平成

      • 二世経営者とサラリーマン経営者

         ヨーカ堂創業者・伊藤雅俊氏が2023年(令和5年)98歳で亡くなりました。前年の2022年(令和4年)にはライフ創業者・清水信次氏が96歳で亡くなっています。ニチイ創業者・西端行雄氏1982年(昭和57年)66歳、ダイエー創業者・中内功2005年(平成17年)83歳、西友創業者・堤清二氏2013年(平成25年)86歳、ヨークベニマル創業者・大高善兵衛氏2014年(平成26年)79歳、ユニー創業者・西川俊男氏2015年(平成27年)89歳、鬼籍に入られています。  今年は「

        • カリスマと物言う株主

           何を血迷ったのか!セブン&アイは、2024年4月10日、傘下のヨーカ堂、ヨークベニマルをそれぞれ、新規株式公開(IPO)する方針を発表しました。せっかく「物言う株主」の呪縛から離れたというのに同じことの繰り返しです。  「物言う株主」が会社を食い散らしています。株主の利益を追求するあまり、将来の成長の目を摘んでいます。四半期や発揮の時間軸で成果を出すというなら、リストラや事業売却といった手段しか残されません。リストラしてしまえば、一時的には収益が出るかもしれませんが、削減

          「個の経営」と「全体の経営」

          「個の経営」とは、つねに社員の自主性を期待する、社員に対する画一的・全体主義的・権威主義的な人事管理は行わない、「個を尊重」した経営です。 「個の経営」に反するものが「全体の経営」です。「全体の経営」とはカリスマ経営、ワンマン経営ともいわれ、行き着く先は「独裁者」による全体主義経営です。 カリスマ経営はワンマン経営になりがちです。カリスマ経営者はなにがしかの優れた能力、人を引き付ける魅力を持ち、結果を出す経営者のことです。 創業者はカリスマ経営者です。周りはカリスマ経営

          「個の経営」と「全体の経営」

          経営とは矛盾との闘い

           1950年代後半から戦後流通革命を先導したビッグストア(GMS)の時代は、2024年3月10日、ヨーカ堂創業者・伊藤雅俊氏の死去によって完全に終わりを遂げました。ダイエーは、1972年(昭和47年)、年間売上高3,051億円を達成して、百貨店の三越を抜いて、小売業日本一の座に就きます。そして1980年(昭和55年)、売上高1兆円突破します。この頃がピークでした。  2001年(平成13年)、マイカル(旧ニチイ)が経営破綻、2002年(平成14年)、西友が米国ウォルマートの

          経営とは矛盾との闘い

          売場に屋号をつける

           誰のためでもない、自らの商いを実践する。売場はお客との出会いの場です。本部で仕入れた商品を本部が決めた売価をつけて指定された場所に並べるだけならモチベーションは下がる一方です。 「この商品仕入れ値は120円だけど100円じゃないと売れないな。この商品の仕入れ原価は80円だけど128円でも売れるな」など自分で仕入れた商品を他の商品との兼ね合いを考慮しながら好き勝手な値段をつける。どんな言葉をかけて売り込もうか、試食を出したらどうだろう。お客の心に刺さる言葉をPOPに書く・・

          売場に屋号をつける

          SM狂騒曲第4章~ロピア戦法早わかり

          「鉄量戦略」とは、上陸時に火力で徹底的の敵の陣地を壊滅させることです。  北海道から九州まで全国に店舗展開を急ピッチに進めるロピアはオープン時に圧倒的な価格攻勢を仕掛け、ライバル店の戦意を削ぎます。「鉄量作戦」です。  コカ・コーラ1.5ℓ99円(当時)、揖保乃糸3袋499円(当時)、ハウスバーモントカレー99円(当時)など仕入原価を大幅に下回る価格で一定期間ぶっ通し販売を続けます。  ロピアの進出を水際で抑え込もうとライバル店はオープン直前「まんぷく作戦」と称して、日

          SM狂騒曲第4章~ロピア戦法早わかり

          モチベーション経営

           チェーンストアのマネジメントは、野球に例えれば、選手が一球ごとにベンチのサインを覗き込む高校野球です。選手はいつも監督の意向を忖度し、バットを振りたい気持ちを押し殺してバントします。一方で、ロピアのマネジメントは選手を一人前の大人として扱います。野球に例えればメジャーリーグです。上司や世間の目を気にせず、臆面もなくバットを振るのです。でも、全力で振り続けていれば、そのうちホームランが出ます。  経営とは不思議なもので、会社が決めたことでも実行するのは社員です。社員に実行す

          モチベーション経営

          SM狂騒曲第3章~ディスカウントの成立要件

           2023年10月17日、オーケー銀座店がオープンしました。銀座店出店以前のオーケーの真骨頂は買上点数の多さでした。郊外型店舗では、買い物カートに大容量カゴを2杯満杯に積んだお客を多く見かけます。買上点数は18~24点前後と推察されます。ところが、銀座店の買上点数は6~8点なのです。  ディスカウントの成立要因は、大量仕入れでも、ローコストオペレーションでもありません。最大の要件は買上点数の多さなのです。  スーパーマーケットの元祖と言われるのが「キングカレン」。「キング

          SM狂騒曲第3章~ディスカウントの成立要件

          SM狂騒曲第2章~マミーマートTEPPEN!へ

           この30年、流通の世界でも、コンビニが飽和状態になり、不採算店舗が急激に増えてきました。ドラッグストアも出店攻勢も陰りが見えてきました。スーパーマーケットもこの20年で既存店の坪効率は半分まで低下し、年商20億円のSMの年商は10億円以下になっています。出店しようにも過当競争と人手不足で、2ケタ出店などとんでもない話で、ここ数年新店0という企業がほとんどです。  既存店の売上げ低下をM&Aで解消しようと試みましたが、ことSMに至ってはM&Aの成功事例は少ないのです。その一

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          SM狂騒曲第1章~ロピアの全国制覇

          「泰平の眠りをさます上喜撰(蒸気船)たった四盃(4隻)で夜も寝られず」という有名な狂歌があります。幕府も町民も、これほど人々が右往左往したのは、この艦隊が浦賀という江戸にほど近い場所に姿を見せ、江戸の町を砲撃するという噂が広まったからです。  2024年3月9日、イトーヨーカ堂が北海道と東北、信越地方から撤退すると発表しました。展開する17店舗の看板を下ろします。そのうち9店は、食品スーパー「ロピア」を運営するOICグループ(川崎市)などに事業承継を進めているそうです。北海

          SM狂騒曲第1章~ロピアの全国制覇

          凡人・軍人・変人

           経営者は3分類されます。「凡人」「軍人」「変人」です。経営者には特殊能力が求められます。それはスキルではなくセンスです。センスとは、商売丸ごと動かし、結果を出す能力です。  2024年(令和6年)1月17日、日本航空は4月1日付で、客室乗務員出身の鳥取三津子専務を社長に起用する人事を発表しました。鳥取氏は59歳。1985年に入社し、客室乗務員を長く務め、客室本部長などを経て、現在は専務でグループの最高顧客責任者を務めています。  生え抜きが社長になるものが当たり前と世間

          見込み型で入って受注型で出る。これが地方スーパーの生きる道

            事業には受注型事業と見込み型事業があります。スーパーマーケットで例えれば、チェーンストアは受注型、個店主義の店は見込み型です。受注型は競争の激化でジリ貧になるのは火を見るより明らかです。顧客の成熟化に対応するため品揃えを変え続けるとともに奇抜な商品を投入し続けなければなりません。一方、見込み型はダイナミックな価格設定と独自の品揃えで顧客を増やし続けるのです。  「社長業」著者・牟田学氏は、事業には、受注事業と見込み事業の2種類あると言っています。ほとんどの会社は、このど

          見込み型で入って受注型で出る。これが地方スーパーの生きる道

          商いとは人の心に灯をともす技

           「働く」ことの意味は何か。私は、「働く」とは神様のお手伝いをすることだと思います。英語で「働く」に対する単語は2つあります。「work」と「job」です。「work」は動くこと、「job」は金銭をもらって要望されたことをすることが意味で日本語の「働く」とは違う気がします。私の感覚では「働く」とは「art(わざ、研究)」であり「act(演ずる、立ち回る)」に近い気がします。  一方で、「働く」に近い言葉に「仕事」があります。「仕事」に対する英語は3つあります。一つは「lab

          商いとは人の心に灯をともす技

          憚りながら・・・。

           オーケー銀座店が、10月17日オープンしました。ユニクロが入居するマロニエゲート2の地下1階と2階の2フロアです。何しろ売場へのアクセスが悪すぎるのです。レイアウトもめちゃくちゃ。品揃えも湾岸エリア・豊洲などのタワーマンションの居住者をターゲットにしているのか、数多ある料飲店を見据えているのか。銀座という魔界でオーケーのセンスが問われます。  繁盛するか、繁盛しないかは、経営者のセンスです。ユニクロのマロニエゲート店は、品揃えや見せ方が通常の郊外店とは異なります。ユニクロ

          憚りながら・・・。