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古本食堂/原田ひ香


でも。わたしは本の番人になるの




登場人物

鷹島珊瑚
東京は一人を優しく包んでくれる街だ。

亡き兄から「鷹島古書店」を引き継ぎ、帯広から上京。
帯広に居た頃は介護の仕事をしていた。
両親は亡くなっている。

鷹島美希喜
珊瑚の親戚。国文科の大学院生。進路に悩んでいる。

鷹島滋郎
珊瑚と6歳離れた兄。東京大学出身。高円寺駅から歩いて12分、築五十年、4Kの家賃が月10万円の一軒家に住んでいた。

鷹島芽衣子
美希喜の母。リアリスト。49歳。いちごジャムを手作りするほど、料理上手。
春のパンまつりで貰えるお皿に執着している。

東山権三郎
愛の形って、いろいろあると思いませんか

帯広在住。奥さんの介護ヘルパーをしたことをきっかけに知り合った。
精悍で優しい目をしている人。

辻堂誠
鷹島古書店の店子である辻堂出版社長。珊瑚の相談相手。

花村建
人生に必要な小説や本って、向こうからやってくるのかもしれませんね

辻堂出版の営業。経済書、自己啓発本などを愛読している。

本田奏人
鷹島古書店の客。アルバイトをしながら、小説を書いている、作家の卵。韓流スターのようなイケメン。

佐倉井大我
キッチンさくらの息子。色白で瓜実顔、歌舞伎役者のような綺麗な顔立ちをしているイケメン。

田村美波
鷹島古書店の隣でブックエンドカフェを経営している。

沼田浩三
鷹島古書店の隣にある古書店「汐留書店」の店主。鉄道の本を扱っている。

気になった食べ物

・笹巻けぬきすし
元禄十五年創業。笹の葉で巻いているおすし。

・ボンディのビーフカレー
大きな肉がゴロゴロ入っている。ご飯にパラパラとチーズがかかっていて、別のお皿にじゃがいもが2個とバターが付け合わせでついている。
カレーの口当たりはまろやかで柔らかい。
(読んでいて、1番食べてみたいと思った食べ物でした〜)

・揚子江菜館(ようすこうさんかん)の上海式焼きそば
池波正太郎が愛した焼きそば。

気になった本たち

・お弁当づくり ハッと驚く秘訣集/小林カツ代
レシピ本だが、写真が載ってない。

・極限の民族/本多勝一
カナダ・エスキモー、ニューギニア高地人、アラビア遊牧民の家族に入り込んで、一緒に住み、同じものを食べて過ごした記録の本。

・街の古本屋入門
古本屋の教科書のような本。

・讃岐典侍日記(さぬきのすけにっき)
堀河天皇に仕え、愛人でもあった讃岐典侍が、彼が病気にかかって亡くなる様子からその後に即位した鳥羽天皇に乳母として仕えるまでを描いた日記。

・玉能小櫛
本居宣長(もとおりのりなが)が江戸時代に書いた玉の小櫛。
源氏物語の注釈書。

・ド・レミの歌/平野レミ
エッセイ。

・17歳の地図/橋口譲二
1987年〜88年の17歳の人たちの姿を撮った白黒の写真集。

・国文学全史 平安朝篇/藤岡作太郎
明治時代に書かれた国文学の歴史書。

・お伽草子/ちくま文庫
今から700年前〜300年位の間に成立し、誰が書いたのかもわからない物語。

・ノルウェイの森/村上春樹
ウォッカトニックのお酒が出てくる小説。

・馬車が買いたい!/鹿島茂
バルザックやヴィクトル・ユゴーの時代の青年たちの経済状況や当時の風俗を書いた本。

・落穂拾ひ/小山清
小説家と古本屋の少女の交流が生まれる話。発刊は昭和28年。

感想

巻末で原田さんと片桐さんの対談が載っていた時に片桐さんが読書欲をかきたてるとコメントをしていたが、その通りだと思った。
とても読みやすくて、読んでいるうちにそれで、それでと自然に読み進めてしまったぐらい。
ずっと北海道に住んでいたのに、知らない土地、しかも東京で生活をする人生、知らない人しかいないのに、珊瑚さんは自然と溶け込んでいて、なんだか、勇気が沸いてくる。
何歳になっても新しいことに挑戦することは恥ずかしいことじゃないって気持ちにさせられる。
じろうさんの生きていた頃の人生が気になり過ぎる。続編があるみたいだけど、そこでいっぱい分かるのかな。
読んでいて、辻堂社長は知っていたかのような感じを見受けたけど、あれは滋郎さんが言ったんじゃなくて、察してたのかな、そうだとしたら、死んだ後になっても珊瑚さんに言わなかった辻堂社長は素敵なひとだし、信頼出来るひとだ。
みききのお母さんは自分の親戚でもないのに、何をあんなに気にしていたのだろう。みききのお母さんだけ、なんだか東京の人だな、という感じがした。

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