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「君たちはどう生きるか(映画)」を知ったかぶる

要するに表現者の内面の話だよね!

ジブリ作品で初の解釈が必要となる作品になっている。つまらない結論になって申し訳ないが、人によって解釈に幅が出る作品なので正解がない。また正解がないのが正解なんだろうと思う。宮﨑駿(エンドロールで﨑の字に変わっていたけど何か意味があるのかしら?)もよくわかっていないのではないかと疑ってしまった。
感想を誰かに伝えるならこうだろう。「見終わった直後は意味がわからなかったけど、考えを整理したらめちゃめちゃ面白い作品だった。要するに表現者の内面の話だと僕は理解したな。2回目の方がより楽しめたよ。君はどう思った?」このくらいがちょうどいいと思う。もちろん鑑賞は1回で十分だ。

あらすじ

(1)母の死、疎開
(2)継母の失踪、下の世界へ
(3)下の世界の秘密、帰還
情報が規制されているためストーリーが全く意味不明だと思うが、ざっくりこの3つの構成で成り立っている。ただこれだとあまりに意味がわからないためもう少し書いてみよう。
空襲(火災?)によって母が入院している病院が焼け落ちる。東京は危ないということで母の実家へ疎開することに。そこで母とそっくりな母の妹とであう。どうやら妊娠しているらしく、父はこの人と再婚するらしい。
母の実家は地方の豪族らしく大豪邸であり、そこの離れで暮らすことになる。疎開先の子供とはうまく付き合えず不登校気味に。不気味な青サギに出会い母が生きていることを告げられる。母に会いたければ立ち入り禁止とされている塔に来いとのこと。
なんやかんやあって指定された塔に行くことなったが、やっぱり青サギの罠であり下の世界へ行くことになる。ペリカンやインコ達に襲われながら脱出を目指す。下の世界は大叔父が作り出した世界であると明かされる。どうやら大叔父は力が弱まっており、後継者として主人公を誘い出したとのこと。もちろん断って元の世界へ帰る。

解釈らしきもの

大まかなストーリーは上記の通りだ。観ていない方にはさっぱり訳がわからないと思うが、安心してほしい。観た後でもそうである。
ではどう楽しむのが良いのだろう。楽しみ方は2パターンある。1つ目は無邪気に映像体験として楽しむことだ。ジブリ作品だから当然観ていて気持ち良い。このあたりは間違いないあたりだろう。
2つ目は当てはめる事だ。青サギは、塔は、主人公は、大叔父は、いったい何を表しているのか。これを考える事が実際かなり楽しい。以下は私が当てはめたものである。

大叔父:過去の表現者
:表現者の頭の中
青サギ:表現者が唯一持つ社会性。理解者を求めている。
主人公:未来の表現者
ワラワラ(下の世界から上の世界へ上がっていく):表現物
ペリカン(上がっていくワラワラを補色する):表現者の中の自己否定、恐れ
ヒミ(ペリカンを追い払う存在):表現することの恐怖を乗り越える勇気
インコ(下の世界へ入ってきた人間を補食する):他者への攻撃性。表現者の中にある自分を理解できるはずがないという感情

こういった当てはめによりストーリーの解釈が変わってくる。表現者は理解者を求めているのと同時に、自分のことを理解できる存在はいないという矛盾した感情を抱えている。理解できない者にとっては表現者の内面に触れたとしても影響がない(後継者以外は塔での記憶がなくなる設定)。しかし理解できる者にとっては大きな影響を及ぼし、彼もまた表現者として別の世界を作っていくことになる。

もちろん観るべき!

じゃあこの作品は観るべきなのか?私なりの解釈はすでに記した通りだが、これも矛盾点や説明不足な点が山ほどある。この作品は鑑賞だけでは半分も楽しめていないだろう。他人と解釈についてあーだこーだ言い合うのを含めて楽しい作品だ。
逆にこういった解釈が面倒だと感じる人はやめた方がいい。明日公開のジョンウィックを観た方が幸せになれると思う。というか私が早く観たい。

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