小説企画と営業力
この営業マンの人のツイートまとめをみていて、小説においてもすごくわかるわかる、と思ったので書いておきたい。
僕、企画やプロットを受け取る編集さんの立場って、
「キョーミのない商品の営業を受ける企業担当者」
と同じだよなと思っていて。(関係性にもよるんだけども)
すでに信頼関係があるとか、でなくても作家や企画自体にすでに実績があって商品化の見通しがつきやすいとか、あとは単純に、やってみたい/得意なジャンルだった、とかの場合は、また別なんだけども。
そうでない場合、基本的には、体裁よく断る理由を探しながら見られるだけなんじゃないかなぁ、と。
作家側が、これは面白いぞー! とか、すごく一生懸命に企画やプロットを作れば作るほど、温度差はむしろ深まっていく気がしていて。
それってつまり、特にキョーミのない商品を熱っぽく語ってくる営業マンと同じなんだろうな、と。
キョーミを持ってもらったあとじゃないと、面白さを探るフェーズには行き着けない。
足りないのは、提案するモノの良し悪しというより、そもそも営業力の方ってこと、多いと思うんだよな。
僕、いまはどちらかというと、読んだ相手が思わず意見を言いたくなるような、口を出したくなるような企画にしたいなー、と思うことが多い。
まずはキョーミを持ってもらいたいな、っていうか。
がっつり自分だけで考えて書きこむよりも、余白を広めにとっておいて、ここになにがあったら楽しいか、意見ほしいなっていう。
そうして自分の考えが入っているものの方が、愛着を持ってもらえるし。作品自体のクオリティも上がるし、刺激があって楽しいしなと。
そのために、いっしょに仕事をする相手がどんなものを好きなのかとか、どういう考えを持っているかとか、けっこう気にかけたりするほうだ。
もちろん、自分が描きたいものもないがしろにはしないが、両方が成り立つところを探りたいっていう。
ただ、これはこれでいろいろっていうか、ノってもらえるときもあれば、隙間が埋まらんなぁ、ってこともあって。めんどくさいかなぁ…? と悩むこともしばしば。
それは相手の経験だったり、立場だったり、性格だったり、忙しさだったり。自分の立場だったり、題材の選び方だったり、コミュニケーションのとり方だったり。いろいろ~な要素の絡むことで。
やればやるほど、よくわかんねえな! ってなってきたりするのだ。