雨宮まみさんと出会った記念(『女子をこじらせて』感想)
10日前、突然noteの記事を更新したのには訳がある。たまたま図書館で出会って、最後まで読みたいと思って借りて帰ってきた本を読んで、なんだか心が動かされているからだ。
ん?心を動かされたから書いた、というのとはちょっと違う。心が動かされて、自分で自分が何を感じているか、表現してみたくなったから。
出会ったのは、雨宮まみさんの『女子をこじらせて』という本。雨宮まみさんがどんな風に自分をとらえて、どう相手からみられていると感じて、どんな風に生きたのかがわかる、"超自意識密着本"だった。
この本を手に取るまでは、雨宮まみさんについては全く存じ上げなかった。けど、この本を読んだ今、1冊の本を読んだだけ、とは思えないくらい知った気になっている。
自分の見た目に強いコンプレックスを持ち、性に関する興味が深く、AVライターというおそらく彼女にとって天職とも思われる仕事をすることになるまで、なってからの人生が詳細に描かれていた。
単に「好きを仕事にしたんですね」とかそういう表現には収まらない、なんか本当にこじらせまくっていた。
どうしたって生きていたら人と比べてしまうこと、どう頑張っても顔が可愛い人種には敵わないと感じること、ダメな男に本気になること…
そして「女」という肩書きに支配されること。
たくさんの苦労が雨宮さんをつくりあげていった。
自分自身の中にある他者の視線を強く持ちすぎると人生の難易度がぐっと上がってしまう。なんだろう、いつの間にか自分から険しい道を進む感じになっているみたいな。
そのくせ、冷静に考えればそれはダメだろ!と思うこともやってしまうこともある。それぞまさにこじらせ。
タイトルの通り、雨宮まみさんは女子を、女を、こじらせていた。うーん、つらい気持ちにもなったけど、面白かった!
とにかく文章が淡麗。中学生の頃の自分の内面を面白く書けるなんて、超かっこいい。
面白く書けるのもそうだし、雨宮さん自身が(いい言い方をすると)「感情豊か」で、(アレな言い方をすると)いかに「こじらせているか」が伝わってきた。
名前を検索して、すでにこの世にはいないことを知って驚いた。この世に生きていた彼女のことを知った日に、彼女はもういないことを知り、寂しい。
でも雨宮さんがライターとして生きたおかげで、本を通した形で出会うことができる。
また別の本の中で雨宮さんと出会えるのを楽しみに、生きる。