2024/11/16ブックガイド マカロニの穴のなぞ
マカロニの穴のなぞ
原研哉
いい物語の条件というのは複雑怪奇で無数にある。だが、いい本の条件というのは二つしかない。デザインがいいこと、薄いこと。この二点に尽きる。グラフィックデザイナーの原研哉氏のエッセイはどちらも満たしていて最高。ひとつのトピックに対して割くページ数は4ページで、最初のページにイラストがドーンと載っていて、次ページから清潔感のある言葉が綴られる。この規則性というかテンポが非常に読みやすい。デザイナーという職業柄、繊細な人かと思っていたが、ピラニアを釣りにアマゾンへ行ったり、サハラ砂漠で立ちションをしたりとディスカバリーチャンネル顔負け。着眼点が素晴らしく、この人の書くものをもっと読んでみたいと思わせられる。