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(59)新たな不穏

 ブログ「7人家族の真ん中で。」では愛猫しろ美(11歳)が脱走し、捕まえるまでの2ヶ月間を描きました。

 しろ美が脱走したその日はダンナが会社の廃業手続きをした日で、家に入ろうとダンナが開けたドアから脱兎のごとくしろ美が走り去っていった。ただでさえ不穏な空気の中しろ美の脱走に私は混乱し、ダンナはますます自分にストレスを溜め込み始めました。
 適応障害と診断されていたダンナは不眠に拍車がかかり、病院で処方された眠剤の量も増えていった。
 
 ただその後、しろ美があまりにも捕まらないので2人の会話はいかにしろ美を捕まえるかということに終始した。1日に何回も近所を散歩したり、ネット通販で監視カメラを買ったり、新型の捕獲機を買ったりそれを使っての作戦を練ったりと、在宅になったダンナと私は毎日忙しく働いた。退職後、ダンナが1日中家にいるのは大変そうと思っていたが、この2ヶ月は助かることの方が多かった(笑)とても心強かった。
 
 夜中にしろ美が中庭にくるようになり、眠剤を服用すると夜中に起きられないからとダンナは服用しなくなった。昼夜逆転しながらも「しろ美捕獲大作戦」のおかげでダンナは少しずつ活動的になり、冗談も言うようになり、夫婦喧嘩もできるようになってきた。
 
 ところが、しろ美とダンナのことばかり気にしていたら、その横でリュウの様子がおかしくなっていた。

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