FF14の思い出とか -その3

の続き。

パッチ5.3あたりのこと

5.2零式である共鳴編を踏破したぼくは、スキルもメンタルも休止前と同水準かそれ以上に復活していた。
レイドへのモチベーションを持て余したぼくは、満を持して絶アレキに挑戦することにした。

同時にアルテマを一緒に攻略していた侍のSさんから絶バハに誘われていたけれど、絶バハはガンブレ武器が報酬に無いので全く興味が持てずに速攻で断り、その代わりにアレキに強引に連れていくことにした。
Sさんはなんか色々言っていた気がする。まぁあんまり聞いてなかった。

共鳴の消化もひと段落し、本格的にアレキの固定探しを始めた。
FF14を始めてから1年半ほど。2020年のお盆が終わろうとしていた。

固定探しには困らなかった。
当時はコロナ渦でステイホーム真っ最中。
5.3で実装予定だった絶は6.1に延期(絶竜詩)され、5.3パッチ自体の実装も普段より2か月ほど伸びていた。
その影響か、暇を持て余したヒカセンたちがこぞって絶募集を立てていた。

応募する固定はSさんが選んでくれた。
5.4零式に間に合いさえすればなんでもよかったので、特に何も考えずにOKした。

Sさん。聖人すぎて心配になる

面接は確かSさんとは別々だった気がするけれど、あんまり覚えていない。
固定主の人から第一声で「いい色してますね」と言われた。
本人からすれば褒めたつもりだったのかもしれないが、ぼくにとっては負の歴史そのものだった。
いい気分はしなかったが、Sさんが選んでくれた手前で辞退するわけにはいかなかった。

メンバーは順調に集まって、9月上旬に固定が始まった。
初期メンバーが立て続けに脱退して再募集となったものの、補充はすぐに見つかった。
集まってみれば、半分は初絶のフレッシュな固定になっていた。

攻略はかなり苦戦したものの、アルテマのグダグダに比べればよっぽどマシではあった。

初絶と言っていたモンクが素晴らしいプレイヤーで、火力を出しながらコールして話し合いも率先して引っ張っていてほぼこの人がキャリーしたようなものだった。
体の弱い学者ちゃんが休みがちで、多少時間等が削られることもあった。
スキル自体もそんなに高くなく、ミスもたまにしていたが声がメチャクチャ可愛かったので全部許した。

固定主含む残りの人たちはグラブルの話ばっかりしていた。
古戦場という期間限定イベントか何かで、たまに固定の時間を短縮したりしていた。
別に攻略を急いでもいなかったので特に気にはならなかった。

当時のぼくはやる気だけは満ち溢れていたので、ネット上に上がっているアレキ感想ブログや攻略動画を片っ端から見て回っていた。
このような生の体験談から得られるものはともすれば攻略動画よりも大きいことさえあり、自分もいつかこういったものをアウトプットしたいと思うようになっていった。
今こうやってnoteを書いているのは、この時の体験が大きい。

この期間中も毎日の木人は続けていた。
流石に共鳴の時のように1日1時間とまではいかなくとも、最低20分程度は動画を流し見ながら毎日木人を叩いていた。

覚醒、共鳴で野良攻略に苦しんだことと、今までの固定でなんとなくメンバーを引っ張るようなポジションにいたことで、自分がキャリーし続けなければならないんだという諦めに片足突っ込んだような決意がぼくを木人に駆り立てた。

クリアは10月末にまでもつれ込んだ。
もともと1か月以内目標とはなっていたものの、体調不良での急な休みが多かったり、所用での短縮日があったりしてなかなか思うように練習時間が取れていなかったので、「あ、これアルテマみたいにグダるやつだ」と思っていたぼくは特段驚きはしなかった。

今までの攻略と決定的に違うのは、自分のプレイヤースキルをある程度把握していることと、初絶ではないことだった。
1年半FF14をプレイしてきて、自分がどちらかと言えば上手い方のプレイヤーであることは客観的に把握できていた。
また、絶アルテマの経験から、時間をかければそのうちクリアできることも分かっていた。

そのためか、クリアした瞬間は別に感動的でもなんでもなかった。
クリアは既定路線であって早いか遅いかの違いだけだったし、言ってしまえば普通に遅かった。
消化も2,3回くらいしかしていない気がする。
以前からずっと行きたかった絶アレキの割には、あまり印象に残らない攻略だった。

絶アレキ中になんとなく気づき始めたことがあった。
「 ぼくと同じレベルの熱量でFF14にハマっている人って、実はあんまりいないんじゃないか―。 」

軽減やシナジーの話をしている時、喋っているのはぼくとモンクばっかりで、たまにヒーラーが入ってくる程度だった。
固定主が前述のように”古戦場”とかいうので遅刻したり、切り上げたりすることもあった。
事前にきちんと連絡も相談もあったので別に構わないけど、ちょっとモヤっていたことも事実だった。

ぼくは、ちゃんとしたチームメイトが欲しいと思った。
同じ熱量で、ぼくよりも上手い人たちと遊びたいと思った。
だから、次の零式は初週攻略の固定にしようと決めた。

アレキのクリアが見えてきたころ、並行でロドストの募集から零式固定探しを始めた。アレキの固定探しと打って変わって、こちらは思ったよりも難航した。

初週攻略の募集では、要件が厳しすぎてほとんど応募できる記事がなかった。それもそのはず、ぼくは早期攻略の実績がなく、絶も緩和後のアルテマしかクリア実績がなかった。
ぼくは焦った。どこにも入れないまま5.4が来てしまうことだけは何としても避けなければならないと思った。

一生懸命探していると、一つの募集記事が目についた。
募集主は登録者5000人程度の配信者で、FF14の解説動画をたくさんアップしている人だった。
解説勢ならスキルもモチベもメチャクチャ高いに違いない と思い、絶対にここに入りたいと思った。もう一つ似たような募集があったがそちらはManaだったので、ここに落ちたらManaのほうへ応募することにした。

ところが困ったことに、この解説勢の募集においてもぼくは応募条件を満たしていなかった。条件は下記の通り。

◆今回参加するロールで下記のいずれか一つ以上に該当すること
・絶アレキサンダーをクリアしている
・絶バハムートまたは絶アルテマをパッチ4.x中にクリアしている
・過去の零式コンテンツで初週クリアを経験している

固定募集のLodestoneより

下2つの条件は時期が過ぎているので、物理的に達成が不可能。
1番上のアレキだけが唯一達成可能な項目だった。
ここに応募することは、ぼくの絶アレキへの強烈なモチベとなった。
ここが埋まってしまう前に応募したくて、アレキ固定のDiscordでたくさん発言したり、みんなの士気を鼓舞するような事を意識して言うように心がけるようになった。

アレキのクリア直後にロドストを見ると、例の解説勢はまだ募集していた。
アレキをクリアしたのは夜の23時過ぎ。速攻で応募したかったけれど、謎の冷静さが働いて夜中に連絡するのは失礼なのではないかと思った。
絶対にこの応募は失敗したくなかった。明日の夜連絡を入れることにして、その日は眠りについた。

翌日、仕事中に応募が埋まってしまわないか気が気でなかったぼくは、我慢できずにお昼前に連絡してしまった。昨日の冷静さはなんだったのか。
夕方には返信が来て、その日のうちに面接をした。

我慢できなかったの

固定主の解説勢さんは落ち着いた話し方の人だった。
解説動画を出しているくらいのガチ勢なので、当然ぼくよりも遥か上の実績がある。アレキだってとっくの昔にクリアしている。
明らかな格上に対して恐縮しながら、前からこの応募に目を付けていたこと、そしてつい昨日応募基準を満たしたばかりであることを伝えた。

世間的に見れば、初週攻略を志すにはアレキのクリアは明らかに遅かった。
難色を示されるかと思いきや、「なるほど~」と言ったきり特に触れられることは無かった。時間やロット条件の再確認と、触れるジョブの優先度を少し話したのちにお開きになった。結果はメンバーと相談してからとのことだった。

結果はすぐに出た。
翌日の昼には合格のDMが来て、そのまま固定のDiscordのURLが送られてきた。実績は本当にギリギリだったけれど、熱意を買ってくれたらしい。
加入にあたり、言い渡された条件が一つあった。
それは「ACTなどのツール使用禁止」

当時は絶アレキのレース勢がツールを使用していたことの余波で、ツール類に対しての風当たりが強くなり始めた時期だった。
配信者をしている固定主にもそれについての根も葉もないファンメールが届いており、かなり厄介なことになっているようだった。

これはぼくには願ったり叶ったりだった。
やっと同じ価値観、同じ目線で遊べると思った。

来る2020/12/8、ついに再生編の攻略が始まった。
ぼくにとっては初めての1層から固定で攻略する零式となった。

エデン零式:再生編

再生編の1層は今までの1層とは一線を画す難しさだった。
いっぺんに色んな事が起こり、それぞれのエフェクトの色が同じだったりで非常に視認性が悪く、難しいというよりもギミックの解明に時間を要した。これはW1stの非公式インタビューでも言及されていることで、本当に評判が悪かった。

それでも何とか初日に1層を倒し、2日目は2層から開始することができた。
このあたりではまだレース勢ともそんなに引き離されてはいなかった。
2層は脳トレギミックが多く、慣れるまでは非常にてこずった。
当時やってた人は覚えてると思うけど、「影の従僕クイズ」なんてのが流行るくらいだった。2日目のうちに2層を倒すことはできなかった。
2層の突破は3日目の中盤あたりになった。

3層はめちゃくちゃ難しかった。
ギミックもさることながら、全体攻撃のダメージが3層とは思えないほど痛かった。光焔光背のDotがめちゃめちゃ痛いため、ここで予定外の軽減打ち合わせの時間を取られることになった。
3層までは1日1層ずつ踏破する予定だったため、ここまでで足止めを食らうのは大きな痛手だった。

結局3層を踏破したのは4日目の終盤だった。
火力もかなりカツカツで、本当に時間切れギリギリのところで押し込んだ。
その日は完全に疲弊してしまい、4層を攻略するのは5日目からとなった。
この時点で、予定よりも丸2日も押していた。

4層はとんでもなく難しかった。
前半ギミックのDD、巨人、ライオンなどすべてが難所として立ちはだかった。火力チェックもキツくて、かなり詰めないとノーデスでも突破できないこともあった。
後半も同様に辛く、絶レベルの軽減やヒールチェックだった。

4層前半の突破には2日かかった。
2020/12/15、後半時間切れを見てタイムアップとなった。
初週踏破は成らなかった。あと一歩のところだった。

固定主から撤退を宣言されたとき、声が出なかった。
自分が足を引っ張ったのは自覚していた。
VCを解散した後、固定主がメンバーへの労いの言葉を言いながら自分の配信を締めるのをベッドに潜って見ていた。

自分の未熟さを正面から叩きつけられた気がした。
熱量だけでぼくを採用してくれた固定主に申し訳なかった。
20歳を過ぎて、ゲームにこんなにマジになっちゃう自分を嘲笑いすらした。
「こいつを固定に入れなきゃよかった」と思われるのが怖かった。
その夜は一睡もできなかった。

続く→


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