不思議な感覚
将棋をある程度指し馴れてくると、誰もが感じるであろう感覚がある。その1つが「ひと目詰みそう」という感覚である。対局中継を見ているときにも、解説の棋士たちも同じような表現をすることが度々ある。この感覚が不思議なのだ。
そう感じた瞬間は別段、相手玉が詰む姿が明確に見えているわけでもない。実際に先の手を読んでみると、詰むこともままある。もっとも、私の場合、まだまだ読み切れないことも多いのだが。
読み切らずに指せば、当然失敗することもある。しかし、振り返ってみると、手順さえ間違えていなければ詰んでいた、なんてこともままある。
この感覚はどこからくるのだろう?
手順がわからずとも、案外自分の頭の中に詰みの形がぼんやり浮かんではいるのだろう。であれば、その形を自分の頭はどうやって導き出した?いまいちわからない。詰将棋や棋譜、自分の対局歴・・・。それらのデータが無意識のうちに頭の中で展開され、目の前の局面にそれらが応用されて、詰みの形を浮かび上がらせているのだろうか?
理性では読み解けない領域には、どうしてもある種のAIのような機能があるように思えてならない。もっとも、その性能が高いかと言われると…、人それぞれ、としか言いようのないことだが。
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