第2章「自分を成長させたいくつかの話」#23そんな事を考えながら、農場で働く前から不安が募る
物事の初めては、不安で、何度話を聞いても経験するまでは確信が持てない。
経験してしまうと、何も感じないのに。
2017年5月
オーストラリア・シドニー
日本食レストランで皿を洗いながら考えていた。
2年目のワーキングホリデーはいらないけど、農場で働いてみるのもいいかもな。(#7参照)
ネットの情報は怖くて信じられないので、
数少ない自分のコミュニティで農場で働いてる・働いたことのある人を探していた。
この時、無料英会話教室で出会った日本人の女性が、オーガニックファームで働いていたというので、
是非紹介してほしいと頼み込んだ。
彼女とは、シドニーにいる間数えるほどしか会っていないが、
紹介もしてくれて、行く前の私の質問にも丁寧に答えてくれた。
農場生活の後、メルボルンで再会してお礼を言えたのも嬉しかった。
海外に行く時
新生活を始める時
新しい習い事をする時
新しいクラスになる時
不安で仕方ない。始まるまでは決して解決しない問題の
解答を教えてもらっても全くスッキリしない。
しかし、逆の立場になると、
途端に、
「いや、何回言えば分かるの?とりあえず行くまで待てばいいのに。」
と時折イラっとしてしまう。
不思議だ。
どこかで話をしたが、
人間は慣れてしまうと、その出来事に対して冷めた感情になる。
飛び跳ねて喜んでいたことも
滅入るほど苦しんでいたことも
不安で仕方なかったことも
私が農場を経験した後、何人か農場探しの相談に乗った事がある。
その時に、何度も何度も同じ質問をされて、
「とりあえず行けばいいのに。」
と思ってしまった事がある。
しかし、その後に客観的にこの会話を見直すと、
それは、農場に行く前の自分と同じ姿だった。
・どんな仕事があるんですか
・時給はいくらですか
・どこにあるんですか
・どうやってそこに行けばいいんですか
・オーナーはいい人ですか
・同僚は何人が多いですか
・日本人が多すぎると英語が話せないんですけど
全てが終わった後なら分かる
・ピッキング・パッキング・ウィーディング・プラスチックピッキング・フィーディング・・・あなたの能力次第で変わります
・時給にこだわるならそこまでオススメしません
・地図はもうメッセンジャーで送ってます確認してください
・飛行機と空港からはオーナーが迎えに来てくれるので連絡してくださいね
・いい人じゃなかったら私も半年も働きません。でもスーパーバイザーが変わるのでもう何も言えません
・常に入れ替わるから、行ってみないと同僚はわからないですよー
・日本人が多いかどうかはその時の運、そして、1人でも別の国の人がいるなら、日本人が何人いようが、英語で話しかけるあなたの気持ちで成長するか決まります
前者の問題提起している人は、不安でいっぱい。
後者の解答者は、経験してるから、余裕を感じる。
どちらも、自分
どちらも、通った道
ならば、どちらの気持ちにも共感できるはず。
もしも、自分が経験したことを知りたいと言ってくれる人がいたら、
不安を汲み取ろう
自分もきっと、何度も何度も何度もそうやってたくさんの人から救われてきた。
両者の気持ちがわかったら、
自分も豊かになる。
それに気づいたら、
農場を紹介してくれたその人は、本当に素敵な人だったんだなと
感謝しました。
その人とたくさんの時間は過ごしていなくても、
その数回で、その人は素敵な人だと思わせる事ができるってすごいな。